断ること、思いやりを込めて温かく!

19,734 回視聴

一人でやりにくいことを解決しなければならない時、些細な願いや欲求を満たしたい時、私たちは他の人に大小のお願いをする。そして、できるだけ相手にそれを受け入れてもらいたい。小さな頼みなら簡単に聞いてくれるという期待から、難しい頼みなら苦労して口を開くだけに、頼む人が聞きたい答えは断然「Yes」だ。

この時、相手が頼みを快く受け入れれば何の問題もない。頼んだ人は望むことを叶えて満足し、お願いを聞いてくれた人は満足感を感じ、二人の間がより良い関係に発展する契機にもなる。

ところが相手の頼みを聞き入れる状況にならなかったり、気が進まなかったりして、あるいは聞き入れない方が相手により良いと考え、断る場合に問題が生じる。拒絶は相手の期待に反する意思表現なので、する人も受ける人もあまり愉快ではなく、ややもすると良い関係を維持するのに障害になりかねないからだ。

道でカードの新規発行を勧める営業マン、店先で客引き行為をする人など、私と関係のない相手なら、頼みをきっぱりと退けやすい。しかし、関係を維持し続けなければならない人は違う。だからといって、すべての頼みをすべて聞き入れて生きることもできないもの。果たして「拒絶」という難題をどのように解決すべきか。

できなくても問題、一刀のもとでも問題

あるポータルサイトで成人465人を相手にアンケート調査を行った結果、「断るのが最も難しい状況は?」という問いに「友人または家族が頼む時」と答えた人が32.2%で最も多かった。親しい間柄であればあるほど互いに望むところが大きく、要求を受け入れることを当然視する傾向が強いため、断るのが容易ではない。断った時、相手が感じる寂しさによる罪悪感も大きい。

特に、頼む人が目上の人であったり、自分のすべてを与えても惜しくない子供である時、拒絶はさらに難しい。「いい子症候群」「いい親コンプレックス」という言葉もあるほどだ。しかし、親の期待に符合するために嫌でも嫌な顔をしない子供、子供の要求を断ることができず、望む通りにすべて聞いてあげるために疲れた親が幸せであるはずがない。それだけでなく、子供を愛するという理由で何でも聞いてあげることは、むしろ子供に毒になる。子供に独立心を育て、小さなことに満足する方法を教えるためにも、できないことはできないと断ることができなければならない。

だからといって、大根を切るように断れという意味ではない。家族の間ではあまりにも気兼ねなく過ごしているため、時には「だめ」、「嫌だ」と短答型で誠意なく拒絶の意思を表したりもする。特に、頼んだ人より自分が優越な位置にいると思う時、何の悩みもなく相手の頼みをきっぱりと退ける場合が多い。しかし、一度に断られると、頼んだ人は寂しいだけでなく、無視される気分、落胆、羞恥心、甚だしくは怒りまで感じる。それによって生じた心の傷は、その後、相手が頼みを聞いてくれても簡単には消えない。

事実、拒絶そのものが悪いわけではない。理由がどうであれ、相手の要請を受け入れるかどうか、選択は頼まれた人にかかっているからだ。問題は大部分断る態度から起こる。拒絶意思をどのように表現するかによって、二人の間の気流が冷たくなったり、温かくなったりする。したがって、どんなことをやむを得ず断ることになっても葛藤と誤解が生じないように注意する努力は必ず必要だ。

関係をこわさずに断ること

拒絶の言葉を聞いた時に気分が良くない理由は、それを頼んだり提案した自分が拒否されたという感じを受けるからだ。拒絶も一種の意見だが、感情的表現として受け入れることだ。したがって、嫌ったり無視して断ると相手が感じないように、その人格を尊重しながら配慮する心を込めて意思を表現しなければならない。

そのためにはまず、相手の話を注意深く聞く「傾聴」とその事情を十分に理解する「共感」が必要だ。相手がどんな頼みをするか見当がついても「どうせ断ること、あえて全て聞く必要はない」という風に言葉を切るよりは、その人の境遇と困難を理解しその心を推し量れば、拒絶によって関係にひびが入ることを防止できる。

また、相手が納得できるように理由を説明してこそ寂しさを少なく感じる。「大変なのにいちいち全部言わなければならないの?」と自分の立場だけを固守するのではなく、こういう理由で助けることは難しいと話すのだ。しかし、今すぐ面倒な状況を免れようと言い訳をする行為は避けなければならない。これは「あなたと良い関係を維持したくない」という意思を伝達することに他ならない。

拒絶意思を表現する時は「いや」、「だめ」、「嫌だ」というような断定的な表現を控え、否定的な感じが少ないように親切な言葉遣いを使わなければならない。「だめ」よりは「難しい」、「大変」のような婉曲な表現を使うのが良く、「申し訳ないが⋯」、「せっかくのお願いなのに聞いてあげられなくてごめんね」のような緩衝作用をする言葉を付け加えると、はるかにスムーズに伝えられる。状況や雰囲気によってユーモラスな言葉で断るのも、聞く人を恥ずかしくさせない方法だ。

相手の頼みを完全に聞いてあげることはできなくても、小さなことでも助けてあげたり、役に立つような他の情報を教えてあげたり、代案を一緒に悩むなど、相手の心が傷つかないことを願う気持ちで好意を施すならば、拒絶に対する負担も減らし、相手が感じる失望感も減らすことができる。時には理解できない要請や要請を受けても非難と無視は禁物だ。拒絶によって関係が壊れる状況を望まないなら、穏やかな態度と礼儀を守ろう。

状況に配慮して断る方法

「リサイクルゴミ、捨ててくれない?」

  • 「いやだ、あとでやるよ」(X)
  • 「今は他のことで難しいから30分後にするよ」(O)

「お母さん、抱っこして。私一人で遊ぶの退屈なの」

  • 「何なの!お母さんがご飯作ってるの見えない?あっち行ってて!」(X)
  • 「お母さんに抱っこされたいの。お母さんもあなた抱っこしてあげたいけど、お父さんが来る前に食事の準備をしなきゃ。その間、居間で本を読む?それともお母さんが料理するのを見物する?」(O)

「寒いから窓を閉めてくれませんか」

  • 「何が寒いの?」(X)
  • 「とても寒いようですね。少し息苦しくて、少しだけ開けておいてもいいですか?」(O)

「食料品を買わなければならないんだけど、今晩一緒に行ってくれない?」

  • 「いそがしいからだめ!」(X)
  • 「明日が締め切りなので、今日までに仕事を終わらせなければならない。ごめん。明後日くらいには行けると思う」(O)

「今週末、一緒に山登りに行こう」

  • 「だめ!約束があるんだ」(X)
  • 「私もあなたと登山に行きたいのですが、今週はすでに約束があるので難しそうです。来週は大丈夫ですが、どうですか?」(O)

(年老いた両親が老婆心から)「ご飯をちゃんと食べて行きなさい。朝食は抜いてはいけない」

  • 「私の年はいくつだと思ってるんですか。私が勝手にするから干渉しないでください」(X)
  • 「いつも心配して下さってありがとうございます。心配かけないように健康に気をつけます」(O)

ある人が名門大学に入学しようと志願したが脱落してしまった。ところが、彼はその学校に対する恨みの代わりに愛情がさらに大きくなったと言った。彼が受けた温かく丁寧な不合格通知のためだった。「次にまた会うことを願い、あなたの将来に幸運と祝福があふれることを願う」という言葉で締めくくった長文の通知書は、不合格による失望感よりさらに大きな感動を伝えたということだ。

思いやりのある拒絶は、むしろ他人に良い印象を残す。お願いに必ず応じなければならない義務はないが、お願いする人の立場では私の無心な態度でとても寂しがることがあることを考えよう。そしてお互いの立場がいつでも変わることができるという点も忘れてはいけない。