お互いにライバル関係にある人たちと親しくなる方法は何だろうか。英国ランカスター大学の研究チームの実験から答えを見つけてみよう。
研究チームはまず、ライバルである2つのプロサッカーチームのファンたちに『チームが好きな理由』を書かせた。そして、他の場所に移動中のファンたちの前で、両チームのユニホームを着た人にわざと倒れさせて見せた。自分が応援するチームのユニホームを着た人が倒れた時には助けてあげたファンのうち3分の2は、相手チームのユニホームを着た人が倒れた時には知らんぷりをした。
研究チームは他のファンたちを呼んで、二度目の実験を行った。今回は『サッカーファンになって良い理由』を書かせた後、同じ状況を演出した。結果は違った。好きなチームのユニホームを着た人であろうとなかろうと、同じように助けたのだ。
研究結果が示すように、人々は自分と他人の間に類似点を発見すれば相手をもっと近しく感じる。応援するチームは違ってもサッカーが好きという共通点をもったファンたちは、お互いを親密に感じて助けの手を差し伸べた。