農夫の心

韓国 南陽州 / チョン・ヨンナム

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夫は体が弱いほうなので農業とは縁遠い人だと思っていました。最近、家庭菜園を始めてから夫の真価を発見しました。農作業の楽しさに目覚めた夫は、体調が悪くても休日には必ず畑に出かけて行きます。種をまいたところに芽が出てすくすく育つ姿を見ていると、それだけでも元気が出るのか、畑に行くと子供のように喜びます。収穫して帰ってくる時は肩をそびやかすようにして言います。

「ほら見て、ほんとうにきれいだろう?」

ある日、夫が見せてくれたのはハヌルマ(直訳すれば「空じねんじょ」、むかごのような芋)でした。一般のじねんじょは地中に育った根の部分を食べますが、ハヌルマはつる植物で実が空中に実ります。形はでこぼこでバラバラなので本当に不細工です。あくまでも私の目にはそう見えました。しかし、夫は違うようです。実がキラキラ輝くようだと言って、大きく育った実をとても立派そうに眺めていました。ある日のこと、霜が降りると凍え死ぬからと言って、小さな実まで泣く泣く全部収穫してきたのですが、遅く実ったせいで大きく育たなかった実を見て、どれほど残念がっていたかしれません。

夫の姿から、霊的な農夫であられる天の父と母の心を推し量ってみました。よい子でもなく、大きな信仰でもないのに、ただ子供だという理由だけで愛おしんでくださり、愛で包んでくださるその御恵みに心から感謝いたします。