
投手の手を離れたボールが打撃範囲まで飛んでくる時間は約0.4秒。その一瞬に打者はバットを振り回してボールを打ち出さなければなりません。投手が投げたボールは速さもありますが、進行方向を予測するのが難しく、熟練した打者でもまともに打つことは容易なことではありません。
そのために存在する野球のルールが「ファウル」です。ファウルは打者のバットに当たったボールが決められたエリアを外れた位置に落ちることです。原則としてファウルはストライクとして認められますが、2ストライク以降はカウントされません。ストライク3つならアウトですので、何とかボールを打ってファウルボールを作り出せば、ずっと試合を続けられるという意味です。ほとんどのスポーツ競技でファウルは規則に違反する行為ですが、野球では打者に与えられるもう一つのチャンスというわけです。
激しく襲いかかるボールを全力で打ち返せば、たとえヒットはしなくても次のボールを打つチャンスを得ることはできます。そして、その次のボールは素晴らしいホームランとして飛ぶかもしれません。