「暑さに負けないか心配だが、うちの息子は肯定マインドだからよく耐えると信じている」
軍服務中の息子への心配と懐かしさがにじみ出る声。ビデオレターの中の母親の一言が参加者の心をしっとりと濡らした。
護国報勲の月の終わりである6月29日、坡州文山教会で「第3回軍将兵のためのヒーリングセミナー」が開かれた。軍事境界線が通る坡州と近隣地域には軍部隊が多数布陣している。この日の行事には坡州をはじめ高陽、金浦など8ヶ所の地域で服務中の軍人と彼らの家族、政界・教育界関係者など約300人が参加し和気あいあいとした思い出を積んだ。
キム・ヨンガプ牧師は開会の辞を通じて国と国民を守ろうと青春を捧げて服務する軍将兵の労苦に敬意を表し「将兵たちが今日の行事で力と慰労を得て健康な夏を過ごすことを願う」と話した。
 
  
  ヒーリング演奏会で本格的なイベントの幕が上がった。フルート、オーボエ、バスーン、ホルン、クラリネット計5種類の管楽器で構成されたウインドアンサンブルが、神様の教会の新しい歌「こんなに美しい日」、モーツァルトの「Eine kleine Nachtmusik(アイネ・クライネ・ナフトムジーク、小さな夜の音楽)」、映画<スティング>OST「The Entertainer(ザ・エンターテイナー)」を演奏し、親しみやすく軽快なメロディーを披露した。次に混成重唱団が母親に向けた懐かしさを表現した曲「風が止まる日」等を歌うと歓声があふれた。
共感トーク時間には行事前の付帯行事に用意されていたパネルに参加者が書いた返事を司会者が一つずつ紹介した。軍生活を「18ヶ月の砂時計」に例えた愉快な返事にひとしきり笑いの海が広がり、「おかげで両足を伸ばして寝ます」と言って軍人たちに感謝を伝えたメッセージは暖かさを醸し出した。
  
  
  
  この日の行事の一番人気は、服務中の軍人の親が準備したびっくり映像レターだった。画面に登場した両親の顔を見て呆然とした将兵たちは、愛情がたっぷり込められた映像を見て、すぐに目頭を赤くした。同じ日に入隊した双子の兄弟ソ・ユミン、ソ・ジミン上等兵は映像レターを見て「母親が出てくるとは全く思わなかった。サプライズプレゼントをもらったようだ」と笑った。
続いて発表者たちが出てきて「お父さん、ありがとうございます。お母さん、愛しています」というテーマでセミナーを行った。無条件の愛を与えてくれる親の裏面を様々な文学作品で照らし、家族愛を呼び覚ました。発表を引き受けたキム・デヨン中尉(坡州)は「親は息子や娘の誇らしい姿を見て心配する気持ちを捨て、軍人たちは親のことを考えて力を得る時間になることを願う」と話した。
  
  
  
  軍将兵ヒーリングセミナーに三度目に参加したというチョ・ビョンフン中尉(鉄原)は、「『鉄原』と言えば寒い冬だけを思い浮かべるが、夏は本当に暑い。その度にセミナーでの良い思い出が暑さと寒さに勝つのに大きく役立った。今回はもっといい思い出を作りたくて両親を招待した」と話した。息子にビデオレターを残した李ジョンミョン(軍浦)氏は、「特級戦士に選ばれた息子が誇らしいが、大変ではないかと心配だ。いつも応援している家族のことを思って、どんな困難も軽く乗り越えてほしい」と伝えた。
一方、同日の行事前には昼食と付帯行事が準備され、楽しさを増した。コンドゥレ飯、クリームパスタチキンなど盛りだくさんの食事を家族、同期と楽しんだ参加者たちは、付帯行事会場のフォトゾーン、ストレスゼロゾーン、ダーツ投げゾーンなどを回りながら楽しいひと時を過ごした。「久しぶりに家庭料理を食べるようだ」、「部隊行事会場でストレスをすべて解消していく」と口をそろえた将兵たちは笑みを浮かべて軍部隊に戻った。