命の法を守ろう

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ダビデの生涯を見てみると、神様の掟と定めと法は、彼にとって喜びの対象でした。神様の律法は魂を生かし、神様の教えは心を喜ばせると言ったダビデは、神様の掟を純金よりも慕いました(詩19:8-12)。

神様の民であれば、このように神様のすべての教えを喜んで従順に守らなければなりません。神様の御言葉は、すべての子供たちが霊的に利益を得ることを願い、永遠の命と救い、そして祝福を下さろうという極めて深い愛によるものだからです。シオンの家族皆が、神様の掟を愛し守ることによって、ダビデのように神様の心に適う者になってくださるよう願います(使13:22)。

新しい世界に適応するための訓練

先日、あるスカイダイバーが宇宙服を着て、対流圏を越えて成層圏からの自由落下を試み成功したというニュースが、海外トピックスで報道されたことがあります。これまで人間が挑戦したことのなかった高さから、それも地上とは気温も大きく違い、空気も非常に希薄な位置から落下が試みられたことを考えると、これは驚異的なことと言わざるを得ません。

もし、その人が宇宙服を着ないで落下を敢行したら、どうなっていたでしょうか?宇宙飛行士たちを一度思い浮かべてみましょう。宇宙に行くには、それに合った服を着るべきです。地球は空気があって、人体のあらゆる部位が適切な圧力の中で今の形体を維持していますが、真空状態である宇宙では、気圧の影響を受けないので、人体の内部のものが急速に膨張して問題を引き起こします。また、地球は人が暮らすのに適した環境と温度が備わっていますが、宇宙と地球とでは、温度にも非常に大きな差があります。それゆえ宇宙服は、外部環境の影響を受けずに人体に適度な温度と気圧を維持できるように、科学的に製作されています。

宇宙では、地上と同じ方法で生活することができません。たとえば、月では重力が地球の6分の1しかないので、地球で1メートル走る力で6メートルを走ることができます。それゆえ、宇宙飛行士は宇宙に出る前に、予め適応訓練を受けます。水中で泳いでいるようなポーズで宇宙で歩く方法も学び、チューブを通して食事する方法も学びます。このような訓練を熟達するまで繰り返して初めて、宇宙に到着してから探査もし、宇宙生活にも適応できるようになります。

私たちが神様の命の法を守るのも、将来行く天国に適応するためだと言えます。知らない人が見れば、宇宙飛行士たちが不便な服を着て変な歩き方をしているように見えても、実際には宇宙での生活のために練習しているのと全く同じことなのです。父なる神様と母なる神様を信じ、神様に感謝と賛美をささげて栄光を帰し、神様の掟と定めと法を守って、神様の御言葉に従うというこのすべてのことが、将来行くべき永遠なる天国のために一つ一つ準備していく過程なのです。ヨハネの黙示録を見れば、天国で二十四人の長老たちと多くの天使たちが、玉座の前で、常に神様に賛美と感謝をささげ栄光を帰しています(黙4:10-11、5:11-14)。天国はそのような所なので、私たちがこの地で天の法を守っていって初めて、天国に行った時、何の苦もなく生活することができるようになるのです。

「安息日を心に留め、聖別せよ」、「過越祭を守り行い、わたしを記念せよ」など、何か行いなさいと言われる聖書の御言葉は、将来永遠の故郷である天国に帰った時に、私たちがよく適応して生きていけるように、という神様の御心が込められています。しかし、人々はこれを知らずに自分の考えを主張します。「礼拝する日が土曜日でも日曜日でも、関係ないじゃないか」、「過越祭を守ったらどうだっていうんだ、守らなかったらどうにかなるとでもいうのか?」…。もし、宇宙に行って「厚ぼったくて動きにくい宇宙服を着ないからといって、どうにかなるとでもいうのか?」と、宇宙服を脱ぎ、地球で着ていた服を着てロケットの外に出たら、どうなるでしょうか?ですから、神様の御言葉に付け加えても、そこから取り除いてもいけないと言われ、聞き従うことがいけにえにまさる、と言われたのです(黙22:18-19、サム上15:22)。

不法を行う者は天国に入れない

宇宙の世界は、生活のすべての条件が地球と全く違うので、地球で生きていた時の知識と経験だけに頼って宇宙に出て行けば、すぐに問題が発生してしまいます。同様に、地球で生きていた時の経験と常識でもって天国にそのまま行こうとしてはいけません。全宇宙を動かされる神様が諭された教えに従うことが、命の道であり、救いの道です。

わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行う者だけが入るのである。かの日には、大勢の者がわたしに、『主よ、主よ、わたしたちは御名によって預言し、御名によって悪霊を追い出し、御名によって奇跡をいろいろ行ったではありませんか』と言うであろう。そのとき、わたしはきっぱりとこう言おう。『あなたたちのことは全然知らない。不法を働く者ども、わたしから離れ去れ。』 マタ7:21-23

自分の思いどおりに不法を行う者は、まるで宇宙服を着ないで宇宙の世界に出て行く愚かな人のようだと言えるでしょう。神様が霊的な宇宙服をどのように着用すべきか、一つ一つ教えてくださっているのに、今日多くの人が「主よ、主よ」と言いながらも、その御言葉を無視して自分勝手に不法を行っているため、天国に行っても適応できないようになってしまうのです。

ここで私たちは、「不法」という言葉に注目する必要があります。不法という言葉は、私たちが守り行うべき命の法があることを前提とするものです。本物がないのに、偽物が出てくるでしょうか?本物があるから偽物が登場するように、法があるからこそ、それを守らない行為が不法になるのであって、法がなかったら不法という言葉が生まれることはありません。

天国へ行くことを願うなら、地上にいる時から天国の法を学び守っていかなければなりません。この法は永遠なる天国の救いの問題と密接に関わっているので、神様は子供たちに命の法を教えてくださり、これに従わずに不法を行う者は天国に来る資格がない、とすべて退けられました。

すべて罪を犯す者は、不法を行う者である。罪は不法である。 一ヨハ3:4(口語訳)

罪は不法から出てくるものです。神様が不法を罪と規定され、不法を犯す罪人たちは決して入ることのできない世界として、天国を造っておかれました。神様の掟の中には、子供たちに、永遠なる天国で生きられるようにさせようという神様の御心が込められています。

罪を犯す者は悪魔に属します。悪魔は初めから罪を犯しているからです。悪魔の働きを滅ぼすためにこそ、神の子が現れたのです。神から生まれた人は皆、罪を犯しません。神の種がこの人の内にいつもあるからです。この人は神から生まれたので、罪を犯すことができません。神の子たちと悪魔の子たちの区別は明らかです。正しい生活をしない者は皆、神に属していません。自分の兄弟を愛さない者も同様です。 一ヨハ3:8-10

悪魔に属する人は不法を好みますが、神様の民は悪魔がどんなに甘く誘惑しても、そこに心が向かいません。サタンの世界は、罪の属性を持っている人がよく順応できるるように造られた世界です。しかし、神様の国は罪もなく不法もなく、神様が造っておかれた命の法だけが存在する所なので、命の法に順応している人のみが、その世界で喜びと栄光を享受することができます。

したがって、不法を行うか、神様の法を守るかによって、悪魔の子供たちと神様の子供たちに分けられます。魚はえら呼吸をするのに適した水の中にいるべきで、どんなに美しい風景が広がっていても、水のない陸地では生きていくことができません。同様に、サタンの子供たちは、常に罪とともに存在し、神様の民は神様の掟と法の内にいるときに喜び、またよく適応できるように創造されました。

神様の法を捨てた者たちの末路

神様の民でない人々は適応することができませんが、天の子供たちにとって最適の場所が天国です。神様の命の法を喜び、純金よりも大切に守る子供たちに、その世界が許されるという事実を忘れずに、サタンの不法的な要素は、決して私たちの心に入って来ないように遮断しなければなりません。悪魔に属さないように、常に罪から離れ、命の新しい契約の法の内にとどまられることを願います。

あなたが、この民にこれらの言葉をすべて告げるならば、彼らはあなたに、「なぜ主はこの大いなる災いをもたらす、と言って我々を脅かされるのか。我々は、どのような悪、どのような罪を我々の神、主に対して犯したのか」と言うであろう。あなたは、彼らに答えるがよい。「お前たちの先祖がわたしを捨てたからだ」と主は言われる。「彼らは他の神々に従って歩み、それに仕え、ひれ伏し、わたしを捨て、わたしの律法を守らなかった。お前たちは先祖よりも、更に重い悪を行った。おのおのそのかたくなで悪い心に従って歩み、わたしに聞き従わなかった。わたしは、お前たちをこの地から、お前たちも先祖も知らなかった地へ追放する。… エレ16:10-13

預言者エレミヤの時代にも、神様を捨て神様の律法を守らなかったため、災いという結果が訪れました。神様の掟と定めと法から決して離れてはならないという事実を、聖書は私たちに教えています。もし、この命の法から離れ何かを行うならば、それは悪魔に属していることであり、神様をむなしく礼拝することになると言われました。

偽善者たちよ、イザヤは、あなたたちのことを見事に預言したものだ。『この民は口先ではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。人間の戒めを教えとして教え、むなしくわたしをあがめている。』 マタ15:7-9

人間の戒めによって教えを受けた人は、絶対に天国に入ることができません。彼らの礼拝はすべてむなしいものです。神様は人類に、神様の掟を通して、天国で永遠に生きることができるように地上で霊的な訓練をされているのに、サタンが来て天国で生きることができないように惑わします。「神様を信じさえすればいいのに、なぜ法が必要なのか」、「人数的に見ても他の面で考えても、日曜日に礼拝するのがより合理的ではないか」と、今でもサタンは巧妙な言い回しで人々をだましています。

私たちは、人としての名誉を手に入れるよりも、神様の栄光を求めなければならず、現在この地での栄光を望むよりも、将来天国で享受する栄光を望むべきです。イエス様が人類の罪を代わりに負われるために十字架の刑を受けられた時、左右の強盗が十字架にかかっていました。

左側の強盗は、周りのユダヤ人がイエス様を誹謗して侮辱すると、横で一緒になってののしりました。

しかし、右側の強盗は「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」とイエス様にお願いしました。この地で間違った人生を生きたが、来るべき世界では悔い改めた人として正しく生きたいという切実な願いと、自分の信仰を告白した時、イエス様は彼に「あなたは今日、わたしと一緒に楽園にいる」と約束されました(ルカ23:39-43)。

御父様は、「左側の強盗は現在の栄光だけ考えた人であり、右側の強盗は来るべき未来の栄光を考えた人であった」と教えてくださいました。二人は人生の最後の瞬間、キリストに会うという貴重な機会を得ましたが、結果は全く異なりました。一人は現在の栄光の前にひざまずいて、結局滅亡に陥り、もう一人は未来の栄光を考えて、心から悔い改める信仰を通して祝福を受けました。

愚かな人は現在の栄光だけを追求し、知恵のある人は将来の栄光を求めます。私たちも現在この地で、どうすれば他の人よりもさらに豊かな生活ができるのかばかりに頭を悩ませず、将来行くべき天国でどんな栄光と祝福を受けることになるかを考えて、今日という日を力強く生きていかなければなりません。宇宙飛行士が訓練を熱心に受けずに怠けていれば、実際に宇宙に出て行った時、すべてにおいて戸惑うことになるでしょう。神様の聖なる戒めを怠けずによく守らなければならず、何よりも不法に属してはいけません。不法に属せば悪魔に属し、悪魔に属せば天国に行くことができません。

命の法で新たに創造される魂

神様は、罪と死を打ち砕くことができる命の法を私たちに与えてくださいました。この命の法を通して、神様は今日も私たちを一部分、一部分、形作り、直し、整えていらっしゃいます。それでイエス様は「わたしの父は今もなお働いておられる。だから、わたしも働くのだ」と言われました(ヨハ5:17)。神様は私たちが完全な姿になるまで、今もなお霊的な創造の御業を行い続けていらっしゃいます。

見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる。…しかし、来るべき日に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこれである、と主は言われる。すなわち、わたしの律法を彼らの胸の中に授け、彼らの心にそれを記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。そのとき、人々は隣人どうし、兄弟どうし、「主を知れ」と言って教えることはない。彼らはすべて、小さい者も大きい者もわたしを知るからである、と主は言われる。わたしは彼らの悪を赦し、再び彼らの罪に心を留めることはない。 エレ31:31-34

神様が新しい契約の法を民の胸の中に授け、彼らの罪をすべてぬぐわれる、と言われました。この命の法が心の中に記されていない人は、神様の民になれないという意味になります。キリストの内で、新しい契約を通して、今日も私たちは新しい被造物として創造されています。

今、私たちが守っている新しい契約の掟と定めと法は、決して小さなものではありません。ただ安息日に教会に行き、ただ過越祭のパンとぶどう酒を食べて飲むだけのように思えるかもしれませんが、私たちが知らないうちにも神様は、私たちを永遠の天国で生きるのに最適な新しい被造物に生まれ変わらせ、再創造していらっしゃいます。

新しい契約の法には、私たちを天の人に造られる神様の苦労がにじんでいることを理解し、神様が聖書に告げてくださったすべての教えと教訓の御言葉に従いましょう。宣教せよと言われたら宣教して、御言葉に従いなさいと言われたら従い、祈りに努めなさいと言われたら懸命に祈りましょう。どんなことでも神様が言われた御言葉は、私たちの未来のために下さったものであることを忘れず、現在の栄光を手に入れるよりも、近づく未来の栄光にさらに心と思いを注がれるよう願います。

将来享受する神様の国の栄光を思いながら、私たちが天国に帰ることができるようにと、命の法を賜り真理に導いてくださった天の父と母の恵みに、日々感謝し、栄光と賛美を帰す、シオンの家族になられることを願います。