先生が子供たちに、ある宿題を出しました。休日の朝、自宅の家の前に落ちているゴミを30分間拾うことでした。休日だからといって子どもたちが朝寝坊するのを防ぐため、早起きさせるために出した宿題でした。しばらくして、ある子供が職員室を訪ねて来て、先生に尋ねました。
「先生、もし雨が降ったらゴミ拾いしなくてもいいでしょう?」
「そうね。雨が降ったら、難しいかもしれないわね」
その子が職員室から出て行くと、間もなく今度は別の子が訪ねてきて尋ねました。
「先生、雨が降っても家の前のゴミ拾い、するんですよね?」
「雨が降っても、できるかな?」
「お母さんに傘をさしてってお願いしたら、手伝ってくれると思います」
「そっか、そしたら出来るわね」
子どもが職員室を出て行くと、そばでやり取りを見ていた教育実習生が、二人の子どもへの回答がなぜ違うのかと問うと、先生が答えました。
「最初に来た子は、雨が降ればゴミを拾いたくない子で、後に来た子は雨が降っても何とかやってみようという子なんです。自分が聞きたい回答を聞きに来たから、望み通りに答えてあげたんですよ」。