
目の見えない人々が、象を手で触ってみてから、それぞれ異なる主張をしました。
胴体を触った人は「象は、硬い壁のようだ」、足を触った人は「象は、丸い円柱のような形をしている」と言いました。鼻を触った人は「象は、長いホースのような形をしている」、象牙を触った人は「象は、尖った矢のような形だ」と言いました。このように、部分的にしか知らないのに、全てを理解し知っているかのように錯覚する様子を、「群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)」1と言います。
1.数人の盲人が象の体の一部だけを触って感想を語り合う、というインド発祥の寓話。
しかし、象の一部だけを知っている場合でも、象の本当の姿を知る方法があります。みんなで意見交換し、各自が知っている部分についてシェアして、それを組み合わせるのです。パズルを合わせていくように、象の胴体、足、鼻、象牙など体の各部分を一つにまとめて適切に配置すれば、象の全体像を描くことができます。
自分が知っていることが全てであるかのように押し通そうとせず、ほかの人の話に耳を傾けて聞く姿勢、これこそが「群盲象を評す」の過ちに陥らない方法です。