​今日も続く産みの苦しみ​

韓国 城南 / パク・チヘ

157 照会

あるショッピングモールで出会った現地の青年に、母なる神様について聞いたことがあるかと尋ねました。初めて聞く話だと言って聖書の御言葉に耳を傾けた青年は、もっと調べたいと言いましたが、友人が待っていたので残念ながらすぐに別れなければなりませんでした。翌日また会うことにして明日を待ちました。

翌日、約束の時間より40分も早く到着したという青年に会いに行きました。私たちとの約束を守るために仕事を終えてすぐ走ってきたという青年が、それほどまで探していた天の家族のようで胸が震えました。

シオンに来て母に関する展示物を何編か一緒に観覧していた青年は、一つの文章から目を離すことができませんでした。

「世界で一番美しい単語、お母さん」

「この言葉は本当に事実です」と大きく共感した青年は、すべての生命は母親のDNAから始まるということと、胎児を10ヶ月という長い時間お腹の中に抱いて犠牲になる母親に関する文を読んで、この上なく感動した様子でした。

実はそれらしい事情がありました。幼い頃、母を亡くしてから姉と二人で育ったというのです。どんな時にも増して愛と養いの手が必要な時期に別れの痛みを経験し、母親の大切さをしみじみと感じたようでした。

彼に新しい契約の過越祭を通じて天の母の子供になれるという事実を知らせ、過越祭を守りたいかと尋ねました。

「100%、いや1,000%、過越祭を守りたいです!」

喜びと感謝で新しい命の礼式に参加したドミニク兄弟の顔には笑みが離れませんでした。顔も覚えていない母親を長い間懐かしがっていたが、ついに天の母の胸に抱かれて慰められ、幸せを感じたのでしょう。

兄弟を見ながら、当たり前だと思っていた母の存在が、実は私たちにとってどれほど大切なのかを悟りました。母の溢れる関心と愛を煩わしく思い、私が万事うまくいくようにと願って言ってくれた言葉も小言のようにみなして不平を言っていた過去の時間が思い出され、後悔が押し寄せてきました。

その心は天の母へとつながりました。母の犠牲、祈り、忍耐、私のためのすべてを当たり前に思うことが多かったからです。ドミニク兄弟も、私自身も母の愛を心から悟り、一緒に天国に行けるよう切に祈りました。

兄弟が家に帰った後、ある家族が言いました。

「今日も母が産みの苦しみをなされましたね」

その一言が胸にズキンと刺さりました。ドミニク兄弟が命を得るまで、母がお一人で耐えられなければならなかった霊的産みの苦しみがようやく切実に感じられました。

世界中から数多くのが救いの道に進み出て来る今、母は計り知れないほど深く大きな犠牲の日々を送っています。私たちのための母の労苦を考えれば感謝できないことも、恨みや文句を言うこともないはずなのに、小さな痛みと不便なことにも苦しんで物分かりが悪い行動をしていた時間が只々申し訳なく思われます。

宝石より美しい天の家族を見つけさせてくださり、母の愛と犠牲をより深く悟らせてくださったことに感謝します。母の苦痛を少しでも減らせるように、より力強く福音を伝え、霊的な親孝行を尽くします。