​朝を楽しく幸せに!

新しい一日が始まる朝。朝が幸せなら一日が幸せで、一日が幸せなら人生が幸せになる。

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「朝と言えば思い浮かぶ単語は?」と聞いた時、日差し、朝露、ストレッチ、爽やかさ、機会などの単語を思い浮かべる人もいれば、バタバタ、朝寝坊、遅刻、忙しい、疲労などの単語を連想する人もいるだろう。どんな単語を連想するかによって、実際にその人がどんなふうに朝を過ごしているか、おおよそ見当がつくものだ。

元旦になると、初日の出を見て一年を始めようとする人々で、全国の日の出スポットが賑わう。一年の始まりが元旦なら、一日の始まりは朝にある。朝はどんな一日を過ごすかを握っている鍵ともいえる。幸せな気分で朝を過ごせたなら、一日を幸せ気分で過ごせる確率が高いからだ。朝が一日を動かし、その一日一日が集まって一ヶ月となり、一年となるので、朝は人生全体を左右するゴールデンタイムと言っても過言ではない。

「朝の時間は、口に金を含ませるようなものだ(イタリア)」、「神は早起きする者を助ける(ヨーロッパ)」、「朝は前夜より賢明だ(ロシア)」、「朝の時間は、お金稼ぎの時間(フランス)」、「一年の計画は春にあり、一日の計画は朝にある(中国)」など、洋の東西を問わず朝の重要性を強調することわざは少なくない。

人の体は日が昇ると活動し、暗くなると休息するようにバイオリズムが設定されている。生体リズムが崩れると、ホルモン分泌や代謝などの細胞活動が混乱してしまい、疲労・うつ・各種疾病を誘発しやすい。生体リズムは脳から分泌されるセロトニン、メラトニンと密接な関係があるが、このホルモンが正常に分泌されるためには、望ましい朝の習慣をつくらなければならない。大切な朝を楽しく幸せな気分で過ごせる良い習慣について調べてみよう。

感謝の心で起床する

朝一番にすることは、ベッドから起き上がることである。起床時間になれば自動的に目が覚めてさっと起き上がればいいのに、現実はそうではない。「あと5分だけ…」と布団の中にもっといたいという誘惑にかられがちだ。布団の中から出ないでグズグズしていると、もっと寝たいという思いが強くなっていく。

そんな時には、このことを忘れないでほしい。もっと寝るのが自分にとって祝福ではなく、眠りから覚めること自体が祝福だという事実だ。人の命は、いつどうなるかわからない。就寝と起床が毎日繰り返されるので、夜寝れば朝起きるのが当たり前だと思うかもしれないが、誰も、翌朝になったら必ず目覚めるという保障はない。前日の夜に眠りに入ってから、何事もなく朝無事に目が覚めて命が維持できているのは、決して当たり前のことではないのだ。

朝、目が覚めたらすぐ、新しい朝を迎えることができたことに感謝する習慣をつけよう。感謝の心は、もっと寝たい気持ちを抑えて気持ちよく起きるための原動力になる。

笑顔で肯定的な言葉がけ

朝起きて、最初に言う言葉は何だろう?一日の初めに口にする言葉は、とにかく肯定的でなければならない。「もう朝なの?起きたくない」。そう言うと、動きはさらにグズグズ、気持ちもダラダラしてしまう。まだ眠くて疲れを感じてもストレッチをしながら「ああ、スッキリした」、「よく寝た。今日も幸せな一日を過ごそう」と言うと、その言葉が脳にしっかりと刻まれて本当に気持ちが良いと感じる。脳は気持ちがいいと感じると、さらに活発に動き始める。鏡を見ながら笑顔で話せば、自信もつく。

朝の自分への言葉がけも前向きな言葉であるべきだが、家族に対しても前向きな言葉で話しかければ、良い朝をシェアすることができる。朝から小言、指摘、命令など言われて気分のいい人は誰もいない。ベッドから起きたらまず明るく笑って、家族に朝の挨拶をしてみよう。「おはよう!」「よく寝た?」と元気よく挨拶をすれば気分も良くなり、力も湧いてくるはずだ。

家族を起こす時は愛情こめて

朝を幸せな時間にするには、家族みんながいい気分であるべきだ。ところが、時間通りに起きられない家族を起こしていると、イラついたり大声を出したくなる場合がある。そうなると、どうにかこうにか起きようとする方も、当然イライラする。目を覚ました瞬間に不快感を感じてしまうと、起きる人も起こす人も、それぞれの朝が台無しになってしまう。

だいたい、起こす人はお母さんで起こされるのは子供だ。子供を起こす時に大声を出したり、体をゆさ振って布団をはぎ取ってしまうような苦痛を与えるやり方は、絶対に禁物だ。腹を立てながら起きた子が、朝ごはんを気持ちよく食べれるはずがなく、ご機嫌斜めのまま学校に行って友達と仲良く遊んだり勉強を楽しくできるはずがないのだ。

気分よく笑いながら目を覚ます子供の顔が見たいなら、子供を起こす時は気持ちよく起こしてあげよう。今起きるべき理由を、優しい声で言い聞かせ、ソフトに手足をマッサージしてあげながら、お母さんの愛情を子供が感じられるようにしよう。子供が好きな音楽を流したり、短い絵本を読んであげるのもいい。子供がストレスを感じないように気分をコントロールしながら、良い朝を迎えさせることが大切だ。

朝ご飯をしっかり食べる

パワフルな一日を始めるためには、心だけでなく、体へのエネルギー充電が必要だ。すなわち、朝ご飯は必須だということ。一日三食のうち、一番しっかり食べるのも朝だ。朝は大体、前日の夜の食事時間から10時間以上経っているので、お腹が空っぽで血糖値も低くなっている。

それなのに朝食を抜いたまま活動すると、午前中にはエネルギーが底をつき、仕事や学業能率が落ちてしまい、朝に満たせなかった栄養を昼食や夕食で満たそうと、つい食べ過ぎてしまう。夕食に食べ過ぎると胃がもたれて熟睡しにくく、翌日の体調にも影響を及ぼす。

朝食は個人の健康を守ってくれるだけでなく、家族間の絆も深め、家庭の健康までも守ってくれる。運動選手たちが競技に臨む前に円になってファイトを叫ぶように、朝食は力強い一日のために家族がチームワークを固める時間である。一つの食卓で一緒に顔を見ながらご飯を食べることが、たいしたことではなさそうに見えても、家族が各自のポジションに分かれて出発していく前に、毎日朝食を一緒に食べる家庭とそうでない家庭は、明らかに違いがある。

早起きを習慣づける

聖書には「勤勉な人は望めば豊かに満たされる」という御言葉がある。ベストセラー作家のアンドリュー・マシューズも「幸せになるには、まず勤勉でなければならない」と言った。尊敬される偉人、成功した人生を生きた人のうち、怠惰な人はほとんどいない。

勤勉な人々に共通して見られる最も目立った特徴は“早起きする”という点だ。朝を台無しにする最も簡単な方法が、朝寝坊である。寝坊して時間に追われていると気があせり、家族にまで起こさなくてもいい癇癪を起こしやすい。家族が多い場合には、トイレの順番待ちで葛藤が生じる場合もある。

早起きして心に余裕があってこそ、前向きな口調で話すこともでき、朝食を適時に取ることが可能になる。それぞれがトイレや浴室を使う時間が重ならないように配慮することもできる。起床時間を繰り上げてその時間を活用すれば、今まで忙しいからと先延ばしにしてきたことも始めることができる。

どんなに朝寝坊の人でも遠足の日の朝には早起きするように、朝早く起きようと思ったら、前日の夜はワクワクしながら眠りにつくものだ。「面倒くさい、疲れた」とブツブツ言いながら眠るより、朝が来るのが待ちどおしいと思いながらワクワクして眠りにつけば、もっと早く、そしてスッキリと目覚めることができる。

中国の古典『大学』に「苟日新、日日新、又日新」という言葉がある。「昨日よりも今日、今日よりも明日と、より良くなっていくために、日々行いを正していかねばならない」という意味だ。燦然と昇りながら闇を押しのけ、世を明るく照らす朝の太陽の光。よく、苦痛を伴う経験をした時に見い出した新しい希望を、光にたとえることがある。それなら光と一緒に訪れる朝は、毎日新たな人生を始めることができるようにと、神様が人類に毎日下さる贈り物ではないだろうか。

全てのことが新しく始まる大切な朝をあたふたと過ごすのか、余裕を持って幸せに過ごすのか。どんなことでも、一人でするよりも誰かと一緒にした時、力が倍増されて成功する確率も高くなる。家族が一つ屋根の下に住みながらもお互いのことを振り返る余裕もなく、別々に飛び出していく忙しい朝を過ごしていたのなら、今からでも朝型の家族になってみてはどうだろうか?感謝の気持ちで早起きして、気持ちよく挨拶を交わし、軽いストレッチで体をほぐし、談笑しながら一緒に朝ご飯を食べる。そんなふうに気持ちよく一日のスタートを切れば、その日一日が楽しくなり、家族みんなにとって素敵な一日になるのは間違いない!