シオンのトイレで小学生の姉妹が会話する声が聞こえました。
「お姉ちゃん、歌、歌って!」
お姉ちゃんは妹の言葉が終わるやいなや歌を歌い始めました。普段、静かで落ち着いた子が大声で歌うので少し疑問に思いました。しばらくして事情を知り、少なからず感動を受けました。
「妹が一人でトイレにいるのを怖がるので、歌を歌ってあげなければならないの」
幼い妹の面倒を見るお姉ちゃんに感心しました。
私の姿を振り返りました。シオンの兄弟姉妹を気遣うより愛されることを望んでいたようで、少し恥ずかしく思いました。今からでも家族を愛でいたわってあげようと誓います。