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人生で最も特別な日

韓国 安養 / オ・ジンフィ

82 照会

​「○月 ○日」

家の近くに新しくできたカフェの名前だ。特定の日付が書かれた店を見て、何ともユニークだと思った。店の前を通るたびに何の日付なのか知りたくて、ある日好奇心に押されるようにカフェの中に入ってみた。

ドリンクを注文した後、オーナーが用意している間に「店の名前の日付、何の日なんですか?」と、それとなく聞いてみた。オーナーは「人生で、最も特別な日なんです」と答えた。人生で最も特別な日といえば、自分の誕生日や結婚記念日あたりではないかと思い、そうなのかと聞いてみると、オーナーは笑いながらこう答えた。

「息子の誕生日なんですよ」

意外だった。

「息子さんの生まれた日なら、オーナーにとっては一番大変な日だったんじゃないですか?」

「えっ、そんなことありませんよ。私にとってはこの世で一番幸せで嬉しい日だったんですから」

人が経験する最大の苦痛が出産だというが、オーナーは産みの苦しみはすべて忘れてしまったかのように、むしろ幸せな日として記憶に残っていた。息子が生まれた日を店の看板に掲げた店で、コーヒー豆を香ばしくロースティングし、ミルクを温めながら客を迎える店長を見ているうちに、心までじんわり温まった。

ふと、母のことを思い出した。故郷を離れて仕事をしていた母が、私のためにどんな苦労をしたかについて少しずつ知るようになると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。いいことだけ伝えようと心に決めても、大人げないことを言って心配をかけたのも一度や二度ではなかった。それでこの前の私の誕生日の日、両親と電話で通話したときに勇気をふりしぼって、こう言った。

「お母さん、…私を産んでくれてありがとう。…苦労かけちゃってごめんね」

この一言を最後まで言い終えるのが、どんなに大変だったか!心臓はドキドキ、張り裂ける寸前だった。父は「そんなことも言えるようになったのか~!」と嬉しそうに言い、母は「急に、どうしたの?」と言いながらも内心嬉しそうだった。どうしてもっと早く言えなかったんだろう、と思った。

息子が生まれた日が人生で最も特別な日だというカフェのオーナーのように、母にとっても、やはり私が生まれた日はそんな日だったのだろう。私が生まれた日だけでなく、母の一日一日が幸せで喜びあふれる毎日であってほしい。そうなるように、私が手伝ってあげなければ。