家族と共にする旅行
子供の休みと会社員である両親の休みが重なる7、8月になると、忙しい日常を後にして旅に出る家庭が多い。厳しい時代、子供も大人も競争するように熾烈に生きていく中で、旅行は様々な肯定的な効力を発揮する。子供には見聞を広げ、創意力と感受性を発達させるのに役立ち、大人は繰り返される日常の任務から抜け出すことで心の休息を得ることができる。

静かな場所に行って静かに休むか、観光名所に行って新しいものを見聞きするか、子供たちの学びと体験に重点を置くかなど目的によって旅行場所と方法は変わるが、家族と一緒に行く旅行なら和睦を図ることは必須だ。家族と向かい合ってゆったりと食事することも容易ではないこの頃、旅行する間だけは全てを共にすることができるので、その分家族の情もより一層厚くなる。
しかし、家族で笑って出発しても、途中で思いがけず心が傷ついて帰ってくる場合もしばしばある。時間はぎっちりで、慣れない状況に各自の要求と期待がぶつかり葛藤が生じるためである。せっかく楽しい気持ちで旅立った旅行で不祥事が起きることを望む人はいないはずなので、最初から最後まで家族みんなが満足できる旅行になるにはどうすればいいのだろうか。
1.一緒に計画して役割分担すること
旅行を計画するなら、目的地を決めることから始めて、どんな日程で動くのか、予算はどの程度にするのか、どこに泊まるのか、食事はどのように解決するのかなど、決めなければならないことが一つや二つではない。ところが、誰か一人がその仕事を引き受ければ、これに参加しなかった人は旅行の日程に不満を抱くこともあり、計画した人もやはり自分一人だけ仕事をするという考えや、あるいは自身の苦労を分かってくれないという思いで残念な気持ちになることにもなる。旅行先に行って意見の相違で葛藤しないためには、準備過程から十分な会話を交わした後、計画を立てなければならない。
一人で旅に出ない限り、役割分担は欠かせない。一方的に誰かの犠牲や奉仕を要する旅行なら、改善が必要だ。予約する人、情報を収集する人、経費を管理する人など、役割を公正に分けてこそ、家族みんなで楽しい旅行になる。親が一方的に日程を組んで子供はついていくだけでなく、旅行の準備に参加させてみよう。こんな時子供は親に尊重されていると感じてより大きな自信を持てるようになる。子供に旅行先の歴史や文化と関連した資料を探すようにさせれば、それだけでも立派な教育だ。

一緒に準備して計画を立てるにしても、あまり徹底する必要はない。宿泊先や交通便など予約が必要な部分でなければ、残りは休暇先でその都度対処して解決していくのも良い思い出になる。
2.日程は余裕を持って
旅行の日程はあまりきつくないように組んだほうがいい。決まった時間に比べて多くの日程を計画すると、時間に追われて心も焦り、体も疲れやすくなる。お互いの速度に合わせて歌いながら歩けるゆったり感、誰かが辛そうにすれば休むゆとりがあってこそ気楽な旅行になる。子供や年配の両親を同伴する旅行ならなおさらだ。
三代が一緒にいる場合には、子供と親の両方が満足する旅行にならなければならない。親が大丈夫だから子供たちを中心に動くようにと言うのでその通りに実行すれば、実際に旅行先に行った時に親が疎外感を感じることにもなる。実際、子供にとって旅行の場所はそれほど重要ではない。普段、子供に多くの時間を割くことができなくても、どこでも思う存分遊んであげたり、運動をするなど一緒に何かをすることで時間を過ごせば、子供には良い思い出として長く残る。しかし、家庭を築いた子供が親と一緒に旅行するのは容易なことではない。どうせ親を連れて行くなら、親が喜ぶようなコースや移動手段、宿泊や食事などの便宜に気をつけよう。
一緒に旅立つ家族数が多ければ、すべての人を考慮してコースを組むのは難しいが、そのような時に日程の中の一つ程度は各自散らばって消化するのも方法の一つである。子供たちはプールに行きたがっていて、親は温泉を望むなら二つのチームに分かれて行ってくるのだ。
3.お互いに配慮して気持ちの良い会話を交わすこと
多くのものを見て聞くことも旅行の目的になりうるが、家族旅行の核心は家族間の絆を高めることだ。そのためにはお互いに配慮する心が必要だ。旅行先で意見の相違がある時、各自自分の主張を曲げなければ傷つくだけの旅行になりうることもある。感情が傷つくことがあっても、遠まわしに表現したり、時間をかけて落ち着いて解決してこそ、お互いの気持ちを台無しにしないで済む。
もし子供に失望した面が見えても、旅行中は叱ることを控え、寛大に接しよう。旅行先での葛藤を避けるために、事前に最小限のルールを決めるのもいいだろう。怒ったりイライラする言葉遣いを慎むこと、食事の時にスマートフォンをしないこと、相手が耳障りなことを言わないことなど、旅行先でしてはならない行動をあらかじめ約束すれば、不和が生じる可能性をある程度予防することができる。

車で移動する時間が長ければ退屈しないようにおやつや簡単な遊びを準備し、子供が幼いなら童話や童謡、色紙などをあらかじめ用意してみよう。旅行は普段できない話を気楽に交わすことができる機会である。移動中ただ寝るよりは気持ちのいい会話をしよう。特に子供が大きくなるほど父親との対話が難しくなり、父親もやはり子供との疎通がぎこちない場合が多いが、旅行しながら子供の心を見つつ多くの会話を交わしてみると疎通が一層円滑になる。このような対話は、和やかな家庭を作る強固な基盤になる。
4.日常に戻る準備
「家を出たら苦労」という言葉があるように、旅行に行ってくると疲れるものだ。そのため、旅行後は早く荷物を整理して少しでも休んだ方が良い。旅の疲れを取らずに疲れた状態で日常に復帰すれば、旅行前よりさらに多くのストレスが溜まることもありうる。
家に帰って休みながら家族が一緒に旅行先で感じた感情や気づきを分かち合う時間を持とう。一番良かった点、残念だった点、一番おいしかった食べ物、記憶に残ることなどで会話を交わすと、旅行の思い出と楽しかったことを長く保管でき、お互いを理解するのに役立つ。
旅行先で撮った写真で家族アルバムを作ったり、ノートに写真を貼った後、簡単な説明をつけて旅行記を作成してみるのはどうだろうか。旅に出る時、小さな手帳を準備し、その都度旅程と気分をメモに残しておけば、旅行記を作成するのがはるかに容易だ。
「私たちは極端に脆弱な状態で地球という星に到着する。だから人生という旅は、先に到着した人たちのものすごいもてなしによってのみやっと始められる。…親は子供が世の中に出ていく準備ができるまで、何の代価も望まずに食べさせ寝かせてくれる。十分に成長すれば、人間は地球に新しく到着した旅行者をもてなすことで、自分が受けたものを返す」
ある作家が旅行について書いた文である。人生をよく旅になぞらえることがある。どこからか来て、色々な予想できなかったことを体験し、時間になれば来たところに再び行くという点でよく似ているためである。
そのような意味で、私たちは家族と一緒に旅行中と言っても過言ではない。時間と費用をかけて電車や飛行機に乗ってどこかに出かけることだけが旅行ではなく、一日一日が特別な「旅程」であるわけだ。だから旅行の回数や場所などを理由に他の家庭と比較する必要はない。これまで家族から受けたもてなしに感謝し、日常の旅の中で幸せを花咲かせれば、それほど美しい旅はないはずだ。