天の母の懐で見つけた自由と平安

韓国 龍仁 / キム・ヘビン

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8月のある安息日、北欧のラトビアからのニュースが携帯電話で伝えられました。内容を見るやいなや神様に感謝をささげました。昨夏、ラトビアのリガに短期宣教に行った時に会った方がついに神様の子供に生まれ変わったのです。姉妹がバプテスマを受けることを決心した理由が胸に響きました。

「ウクライナで起きている状況の中で、私の体とが救われる唯一の道が過越祭の日だと思いました。それでバプテスマを受けることにしました」

ウクライナ出身の姉妹の状況が残念だっただけに、バプテスマのニュースがこの上なく嬉しかったです。姉妹と一緒にした記憶が頭の中をよぎりました。

名前さえ聞き慣れないラトビアで宣教団員たちと数日間熱心に御言葉の種をまいていたところ、聖書を見せても自分の考えに固執し真理を否認する人に会いました。声だけ上げて腹を立て、ついに席を離れてしまった彼を残念がっていた私たちに、ある若い女性が嬉しく挨拶をしました。団員の一人が声をかけた時「面接に行く途中なので時間がないので、この場でまた会おう」と言った方が約束通りに帰ってきたのです。それが姉妹との初めての出会いでした。自分はウクライナから来たと明るい顔で話す姉妹のおかげで、沈んでいた私たちの気分も一緒に良くなりました。命の御言葉をもっと詳しく伝えたくて、姉妹を礼拝所に招待しました。

翌日、姉妹は同じ国籍の友人と一緒に礼拝所を訪れ、母なる神様と過越祭、バプテスマに関する聖書の言葉をじっくりと調べました。姉妹は御言葉が理解できると言いながらもバプテスマを受けることをためらい、慎重に自分が体験した話を取り出しました。

ロシアとウクライナ間の戦争中、姉妹の寮のすぐそばに爆弾が落ちました。あらかじめ他の場所に移動して体は無事だったが、飛行機の音や大きな音にトラウマができ、生きたい気持ちで故国を後にしてラトビアに渡ってきたとです。

家族はバラバラになりました。ウクライナに残っている家族もいて、一部は他国に避難したり、軍隊に呼ばれたりしました。それでも一つの教団で家族が一緒に洗礼を受けたので、互いに縁の紐がつながっているという信頼がありました。新しい契約の真理を納得しながらも、神様の教会でバプテスマを受ければ、その紐が切れそうで躊躇するという姉妹から、家族に向けた懐かしさと心配が感じられ、心が痛みました。その心情を十分に理解して姉妹も、姉妹の家族も神様の保護の下で救われることを願うと慰めました。姉妹は感謝しながら心の準備ができたら必ずバプテスマを受けると言いました。

私たちが韓国に戻る2日前の安息日、姉妹が再び礼拝所を訪れました。別れる前にどんな御言葉を伝えるか悩んで、使徒パウロが看守に福音を伝える場面の「主イエスを信じなさい、そうすればあなたとあなたの家が救いを得るだろう」(使16:31)という一節を見せてあげました。バプテスマを受ければ家族との縁が切れるのではなく、先に救いの印を受けることで家族にも神様に進む道が開かれることができるということを知らせたかったのです。姉妹は決心がつくとすぐに駆けつけてバプテスマを受けると意志を示しました。

姉妹は自分がウクライナから持ってきた唯一の物だといい、ウクライナを象徴する紋章の模様のアクセサリーを宣教団の皆にプレゼントしました。大切な物をあげても大丈夫かという問いに感動的な答えが返ってきました。

「これをあげたらば私にはウクライナと関連した物がなくなるが、皆さんがそれだけ私に大切なので必ずあげたいです」

みんな目頭が赤くなりました。まだ教えたい御言葉が多いのにもう別れなければならないなんてとても惜しかったです。悲しみを懸命に抑えて別れの挨拶を交わしながら、姉妹が神様の子供として生まれ変わることを、韓国に帰っても切実に願うと誓いました。

帰国して19日後、ついに姉妹が新しい命の祝福を受けたという知らせが舞い込みました。姉妹にバプテスマを受けた感想を聞いたインタビュー映像も一緒に届きました。姉妹は自由を感じ、魂がきれいに洗われた感じだったと言いました。いつも心の片隅が重かったが、今は平穏になったとです。戦争という暗鬱な状況に疲れて大変だった姉妹の心霊を慰めてくださった神様に感謝しました。

「真理を教えてくれてありがとう。今、私は皆さんと一緒に過ごしています。皆さんが私の姉妹で、私も皆さんの姉妹です。愛しています」

胸が熱くなりました。携帯の画面越しに姉妹の真心が感じられました。姉妹が救いの印を受けるまで1ヵ月足らずの間、本当に気が気でなかったのですが、天の母は創世前からどれほど緊張されたのでしょうか。私たちが韓国に帰ってきた後も、心配しながらこの魂の面倒を見られた天の母がいたので、姉妹が救いに向かうことになったと信じます。

いつになるかわかりませんが、姉妹と再会する日を想像するとわくわくします。姉妹が信仰を積んで福音の大きな働き手に成長することを神様に祈ります。姉妹を通じて家族も真理に接し、その縁が天でも続くことを願います。