親切の輪

2,597 回視聴
本文を読む 4:20

台風が猛威を振るうベトナムのある橋の上。オートバイの運転者たちは、危うい状態で橋を渡っていたが、強風に阻まれてそれ以上進むことができず、立ち止まった。どうすることもできずにいたその時、車が近づき、オートバイを取り囲むように列を成して徐行し始めた。強風によってオートバイが倒れたり、飛んできた物に運転者がぶつかったりしないよう、車が彼らを守ったのである。そのおかげで、オートバイの運転者たちは無事に橋を渡り、安全な場所へ避難した。この光景を収めた映像は世界中に広まり、多くの人々に感動を与えた。

善行は、助ける側と助けられる側だけでなく、社会を構成する人々の間の絆をも強める。古代ローマの政治家であり作家でもあったキケロは、私たちが互いに好意を施す時、強い結びつきが生まれると述べた。後から来る人のためにドアを押さえておくこと、エレベーターのボタンを代わりに押してあげること、先に挨拶することなど、何気ない小さな行いも、他者に心地よい一日を贈ると同時に、社会の雰囲気をより良いものへと変えていく種となり得る。

中には、利他的な行動が周囲に良い影響を与えることは認めながらも、それに見合う利益が自分に返ってくるわけではないとして、それを時間の無駄と考える人もいる。しかし、善意のこもった親切は、受ける人だけでなく、与える人にも良い作用をもたらす。ハーバード医科大学グレゴリー・プリキオーネ教授は、他者に何かを施す時、脳の報酬系が活性化され、ドーパミン1が分泌されると説明する。これは、他者を助ける行為が、物質的な報酬を受けた時と似た幸福感をもたらし得るという意味である。

1.目標を達成したり、報酬を受けたりした時に活性化される神経伝達物質。

また、同じ状況ではエンドルフィン、オキシトシンも共に分泌され、ストレスを和らげ、血管を拡張して血圧の安定に役立つ可能性があると付け加えた。アメリカの内科医アラン・ラックスも、ボランティア活動に参加した人々に、数日あるいは数週間にわたって血圧やコレステロール値の低下、エンドルフィンの増加、活性酸素の減少など、肯定的な変化が現れたという研究結果を発表した。

人に施す者が精神的にも身体的にも良い影響を受けるよう人体が造られているという事実は、人類が互いに支え合いながら生きることを願われる創造主の御心ではないだろうか。キリストは、神様を愛することを第一の掟とし、その次に隣人を愛するという掟を与えられた(マタ22:36-40)。「善いサマリア人」のたとえを通して、一つの魂を憐れみ、その命を救う行いが永遠の命に至る尊い業であることを教えられ(ルカ10:25-37)、人類の救いのために進んで御自らの命を犠牲にされた。

慈しみと憐れみの模範を示してくださった神様の御心に従い、私たちも身近なところから助けの手を差し伸べ、親切の輪をつないでいこう。それによって、家庭には家族愛が芽生え、シオンでは兄弟姉妹との一致の絆が強くなり、隣人との間にも結びつきが深まる。小さな親切が積み重なって私たちを変え、やがて世界を変えていくのである。

親切の輪

4:20
0:00 4:20

再生速度

1x

AIによって生成された音声です。一部の違いがある場合がございます。