昔、エジプトから解放されたイスラエルの民は、神様の権能によって二つに分かれた葦の海を渡った。それから四十日目、神様がモーセをシナイ山に呼ばれ、御心を伝えられた。十日後、モーセは十戒の石板を授かるためにシナイ山に登った。
モーセの行跡は将来イエス様が行われる御業の預言である。イエス様は復活後、四十日間弟子たちに姿を見せられ、四十日目の日、オリーブ山で昇天された。イエス様の復活と昇天を目にした弟子たちは、感動して胸を熱く燃やしながら、イエス様が約束された聖霊を受けるために十日間祈りに励んだ。この時集まった弟子の数は120人だった。十日目に当たる五旬祭(旧約の名称は七週祭)に聖霊が豊かに臨んだ。弟子たちは直ちに福音を伝え始めた。各国からエルサレムに集まった人々が自国語で「御言葉」を理解する、という御業が起きた。一日で弟子が三千人も増え、イスラエル内にとどまっていた福音が、一瞬にして各国に伝えられていった。五旬祭の聖霊は世界福音の起爆剤だった(使1-2章)。

イエス様の模範と使徒たちの行跡に従って、全世界175カ国の神様の教会の聖徒たちは5月13日の昇天日から23日の五旬祭まで10日間、祭りを守った。聖徒たちはオンライン礼拝をささげたり、感染症対策やフィジカルディスタンシングを徹底して教会での礼拝をささげながら、朝夕切に聖霊を求めた。
五旬祭の日、総会長の金湊哲牧師は、二千年前の初代教会の歴史を通じて「聖霊の御力は宣教において現れる。それぞれ授かった賜物は違うが、体の各部分として、魂の救いという使命のためにお互い連合する時、世界福音が完成する」と力説した。続いて「神様が私たちを弟子にされた目的は、私たちの救いであり、ひいては世界を救うためだ。世界中に福音を伝えて世界を救う、神様の誇らしい息子と娘になろう」と述べた(一コリ12章、マタ4:12-22、イザ52:7-8、ヨハ15:1-10、マタ28:18-20)。
天の母は、10日間祭りに参加した子供たちを励まされ、聖霊の臨在を確信させてくださった。午後の礼拝では「従順とはどのようなものか」という主題の御言葉で、従順に従うことが救いの必須要素であることを諭された。聖書にはアブラハム、ヨシュア、使徒パウロなど、従順を実践しにくい悪条件の中でも神様に従順に従って祝福を受けた信仰の先祖たちの記録が数え切れぬほどある。逆にサウル王や四十年間の荒れ野生活で死を迎えたイスラエルの民など、不従順によって祝福を失った人々もいる。御母様は「従順は信仰から生まれ、信仰なくしては神様を喜ばせることはできない。神様の御言葉通りに行えば必ず祝福を受けるという絶対的な信仰で従順に従い、大きな祝福を受け、永遠の天国に悠々と入っていこう」と切に頼まれた。また、「新しい契約の救いの知らせが切実に必要なこの時代、私たちがすべきことは、授かった聖霊の力で魂を一人でも多く救い出す聖霊運動である」と言われ、絶え間なく生じる災いと災難に苦しむ人類が真の平和を享受することを願われた(申28章、ヘブ3:7-19 、ヘブ11:6)
初代教会の福音も聖霊時代の福音も「サマリアと地の果てに至るまで、わたしの証人となる」(使1:8)と言われた御言葉に聞き従った者たちによって世界に広められていった。withコロナ時代でこれまでの日常生活が大きく変化し、躊躇する感がある今日この頃だが、福音は止まることなく各種オンラインメディアを通じて迅速に伝えられている。五旬祭の聖霊まで注いでいただいた聖徒たちは、改めて家族や隣人のことを思い浮かべながら「あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい」(マタ28:19-20)というキリストの命令に従順に従うことを決意した。