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​ヤギの選び方​

114 照会

ヒマラヤの高山地帯のある村で、市場が開かれました。一人の子供が父親と一緒に市場に行き、ヤギを売買しているのを見かけました。興味が湧いた子供は父親にせがんでヤギを見物に行きました。小ヤギから大きな肥えたものまで、たくさんのヤギがいました。

あれこれと山羊の様子を見ながら、値段がいくらぐらいになるだろうと見ていた子供は、何かを発見しました。体の大きさによって値段が決まるのではないということがわかったのです。

「いい質問だな。あれを見てごらん」

父親は、今すぐにでも売られる直前のヤギたちを指さしました。二匹のヤギが、一握りの草も生えていない山の斜面に連れて来られ、商人と客はその二匹がどうするか見守っていました。一匹は周りを見回すと、餌を探して岩を登っていきました。それより体の大きいヤギは、力なく下に降りてきました。客は同じ値段なのにもかかわらず、小さなヤギを選びました。

「草を食べるために岩を登るのを厭わないヤギは、どこででも元気に育つことができる。しかし草が見当たらないからといって下に降りていくヤギは、結局は谷の下まで降りて行って飢え死にしてしまう。そのため、ヤギの値段を決める基準は体の大きさじゃなくて、態度にかかっているんだよ」