藪から棒

韓国ソウル

380 照会

引越しの計画があって、時間ができるたびに家の整理をしていた時、ある日は夜遅くまで台所の整理をしました。最後に冷蔵庫を掃除しながら、これまで放置しておいたペットボトルを取り出して中身を確認しようと蓋を開けました。その瞬間、「ポンッ」と轟音を立てて中にあった中身が四方に飛び散りながら天井に跳ね上がりました。覆盆子(木苺)の発酵液が古くなり破裂したのでした。

台所は床から天井まで赤みがかった覆盆子(木苺)の発酵液でめちゃくちゃになってしまいました。「藪から棒」のように、全く予期せぬことにあった私は、驚きのあまり、途方にくれてブルブル震えてばかりいました。居間でテレビを見ていて、台所に駆けつけてきた夫も、驚きの色を見せました。

すぐに事態に気付いた夫は、すばやく雑巾を持ってきて汚れをふき始めました。子どもたちが目を覚まさないように、夫が足を静かに動かしたのですが、ペットボトルを開ける音がどれほど大きかったのか、寝起きの悪い娘たちも起きて驚いた顔で出てきました。子供たちは私を落ち着かせては、お父さんを手伝って台所を片付けました。そうやって家族の助けで台所が本来の姿に戻ってから、私の心も安定を取り戻しました。

その日、家族にどれほど慰められたか分かりません。夫と子どもたちは、夜中になぜこんなにうるさくするのかと恨んだりいらだたずに、汚れた台所を黙々と片付けてくれました。まるで自分たちの過ちであるかのように私を慰め、私がするべきことを代わりにしてくれた家族にとても感謝し、申し訳ありませんでした。今回のことで家族の大切さを切実に悟りました。いつでも、何があっても、互いに頼って愛することができる人はやっぱり家族だという事実を。