死んだ木の下で眠ること

5,304 回視聴

アメリカの著名な進化生物学者、ジャレド·ダイアモンド教授が若かりし頃、ニューギニアでフィールドワークをしていたときのことでした。ある日、鳥を観察するために原住民と一緒に深い森の中に入り、そこで一晩泊まることになりました。彼は枝の間からきらめく星々が見える大きな木の下にテントを張ろうと提案しました。すると原住民たちは大急ぎで駆けつけてきてそれを止めました。

「この木はもう死んでいるので、いつ倒れるかわかりません。寝ている間に私たちに倒れかかってくるかもしれないんですよ!」

代わりに、原住民は木から遠く離れた空き地に彼を連れていきました。彼は残念でたまりませんでしたが、なんとか心を落ち着かせ、原住民たちの心配症は少しオーバーなのでは、とさえ思いました。

その後、森でフィールドワークを続けている間、彼は死んだ木が突然倒れる様子を何度も目撃しました。 やっと原住民が言った言葉を理解することができました。安易な行動が取り返しのつかない結果を招く恐れがあるため、これを徹底的に警戒しようとする彼らの姿勢に納得がいきました。

普段の生活においても、この死んだ木のように私たちの安全や幸福を脅かすものがあります。交通ルール違反、嗜好品の乱用、やるべきことを先送りにする、不平不満など。これらを一つの習慣のように繰り返すことは、いつでも倒れる可能性のある死んだ木の下で眠ることと同じではないでしょうか?