新型コロナ禍も2年目に入り、長引く人間関係の断絶と孤立によって、個々人の疎外感と絶望感はより一層深刻化している。しかし、冬が過ぎれば春が来るように、試練の中でも希望の花は開くものだ。毎年訪れる神様の祭り「過越祭」には、罪の赦しと救い、永遠の命の祝福という春の日差しのような希望と約束が込められている。

3月27日(聖暦正月14日)の夕方、過越祭大聖会が175カ国で執り行われた。感染症拡大予防ガイドラインに従って、全世界の神様の教会の大部分の聖徒たちは、家族や個人単位に分かれ、各自の家庭でオンライン映像を活用しながら過越祭の儀式に参加した。そうして、新型コロナ禍や各種の災害に苦しむ人類に神様の祝福が臨むよう祈った。除酵祭大聖会(3月28日、聖暦正月15日)と復活祭大聖会(4月4日、除酵祭後初めて迎える安息日の翌日)もオンライン礼拝を中心に行われた。
命の約束_過越祭大聖会
祭りの名称にある「過ぎ越し」からも分かるように、過越祭は「災いを過ぎ越させてくださる」という神様の約束が込められた祭りである。旧約時代にエジプトで奴隷生活をしていたイスラエルの民は、神様の御言葉どおりに過越祭を守って初子を滅ぼす災いを免れた後、長年の奴隷生活から解放された。彼らにとって過越祭は、神様の権能を体験した日であり、自由を得た歓喜の日であった。2千年前、イエス様は御自分の肉と血を表す過越祭のパンとぶどう酒で新しい契約を立てられ、罪の鎖に縛られている人類に、罪の赦しと永遠の命の祝福をお許しくださった(マタ26:17-28、ルカ22:7-20、ヨハ6:53-58)。
家庭で過越祭の儀式を準備した神様の子供たちのために、天の母はオンライン映像を通じて祝福を祈り求めてくださった。一人や二人でも神様の名の下に集まったところには、救いの恵みが臨むよう願われ、また、すべての子供たちが、救いの約束が込められた新しい契約の福音を世界のあらゆる民に宣べ伝え、多くの魂を命の道に導く「愛」を施すよう祈られた。
であられるイエス様が、子供たちを救うために御自分の肉と血を差し出してくださった」、「過越祭にキリストの聖なる体を受け継ぎ、尊い血の功労にあずかり、祝福された未来に向かって進めるようにしてくださった神様に感謝をささげよう」と述べた。続いて、出エジプト当時の歴史を説明し、「私たちに、神様のことを御父様、御母様と呼ぶ資格を下さったので、困難に襲われても『天国が私たちを待っている』という大きな希望と自信を持って生きていこう」と激励した(出12:11-14、ヨハ1:29、一コリ5:7-8、一コリ10:16-17、ロマ8:16)。
聖徒たちは過越祭の聖餐儀式に先立ち、各家庭で家族単位で洗足儀式を執り行った。これは聖晩餐の前に、イエス様が御自ら弟子たちの足を洗ってくださった模範に倣って行うものである(ヨハ13:4-15)。洗足後はキリストの尊い御心を胸に刻みながら、過越祭のパンを食べぶどう酒を飲んだ。
十字架の苦難から復活の夜明けまで_除酵祭・復活祭大聖会
イエス様は弟子たちと過越祭を守られた後、むごい苦難に遭われ、翌日十字架につけられ息を引き取られた。その後、葬られてから3日後に生き返り、私たちに復活と変化の希望を与えてくださった。人類の罪を贖われたキリストの崇高な犠牲を記念する日が除酵祭であり、復活の権能を記念する日が復活祭である。
天の母は、除酵祭と復活祭を迎えて、あらゆる苦難と苦痛に耐えながら十字架で犠牲になられ、天の子供たちに永遠の命の約束と復活の希望をお許しくださった天の父に、感謝の祈りをささげられた。また、子供たちが父の犠牲の愛をいつも実践し、全人類の心に天国の希望を植え付け、神様の恵みに報いる人生を生きることを祈られた。
除酵祭の日、「十字架で息を引き取られる瞬間までも『最後まであなたたちを愛した』と言われた神様の御声を忘れないようにしよう」と述べた総会長キム・ジュチョル牧師は、「その愛を胸に刻み、自分の十字架を背負ってキリストに従い、全世界に愛と希望を伝えよう」と力を込めて語った(レビ23:5-6、出14:1-14、ルカ23:26-46、マタ26:32-68、ロマ8:16-18、イザ53:1-12、マタ16:24-26、一ペト4:12-14、フィリ1:27-30)。復活祭の礼拝を通じても「神様が、死で終わるはずだった私たちの人生に、復活と変化という希望のメッセージを与えてくださったので、危機に瀕した世界のすべての民にも、この希望を持たせてあげよう」と繰り返し頼んだ(レビ23:9-11、一コリ15:20、マタ28:1-6、一コリ15:50-58、一テサ4:14-18、マタ22:30、フィリ3:20-21)。
聖徒たちは「花婿を奪い取られる時が来る。その日には、彼らは断食することになる」(マコ2:20)という御言葉どおり、除酵祭に断食してキリストの苦難を胸に刻んだ。復活祭にはエマオに向かう2人の弟子の前に姿を現され、賛美の祈りを唱えたパンで弟子たちの霊的な目を開かせてくださったイエス様の行跡に従って、各家庭でパンを裂いた(ルカ24:1-31)。
祭りを守り終えた聖徒たちは、全世界の人々が神様の約束の中で希望の季節を迎えられるよう祈った。新型コロナウイルス感染症患者の入院病棟で看護師として勤務するローナ(Lorna Meaden、イギリス・ロンドン)姉妹は「患者たちがコロナで苦しみ、命を失う状況を間近で見ながら心が痛んだ。多くの人々が神様に守っていただきながら暮らすことができるよう新しい契約の真理を伝えていきたい」と志を述べた。アコナ(Akhona Gwente、南アフリカ共和国・ケープタウン)姉妹は「洗足儀式の際、家族の足を洗ってあげながら、仕えることと思いやりが愛を実践する方法であることを悟った。神様から受けた愛を、新型コロナによって希望を失った人たちに分けてあげたい」と述べた。