宇宙が送る信号、星の光

22,315 回視聴

映画「インターステラー」で主人公は人類の未来のために宇宙探査に出る。彼は5次元空間で地球にいる過去の娘に信号を送る。今この瞬間、人類も宇宙から時を超えた信号を受けている。夜空の星が過去から現在の私たちに休むことなく送る光がその信号である。

広大な宇宙は数え切れないほど多くの星1と銀河でいっぱいだ。それぞれの星は自分だけの光を作ってそれを宇宙に放つ。しかし、地球では美しい宇宙の「現在」の姿を見ることはできない。私たちは太陽の8分前の姿を見ており、466年前の北極星を羅針盤にしている。

1.星:この文では天文学的意味の星、すなわち内部のエネルギー放射で自ら光を出す天体(恒星)をいう。

時空間を越えてきた星明かりは私たちにどんな信号を送っているのだろうか?

宇宙の情報伝達者

視覚は人間の感覚において大きな比重を占める。この時、視神経を刺激して私たちが見られるように重要な役割をするのが光である。

光は波長領域によって、人間が感知できる可視光線とその他の紫外線、赤外線、X線などに分けられる。私たちは可視光線を通じて人の姿と肌の色、体などの情報を得る。赤外線では体温の分布を確認し、X線で骨を観察する。このように光の波長を利用すれば、同じ対象でも他の情報を得ることができる。

人は光がなければ何も見ることができない。それでも近くにあるものは手で周辺を触ったり嗅覚、聴覚などを動員してある程度見分けることができる。反面、遠い宇宙に存在するものは触れることも、音を聞くこともできない。そのため、星の光はさらに特別だ。宇宙の情報伝達者の役割をするからである。

今日明らかになった地球から星までの距離、天体の質量、明るさ、表面温度、自転速度、構成元素、年齢などの情報は「光」を通じた観測なしには分からない。光を屈折させるプリズムを利用すれば、波長によって色が散らばるスペクトル帯が形成される。この時、星を構成する元素の種類や星の表面温度によって線の位置や太さが異なる固有のスペクトルが現れる。

したがって、この星の光スペクトルだけを分析すれば、星まで直接行ってみなくても、その星を構成する物質が何であり、星の温度が何度なのかが分かる。星の温度は色、質量、圧力などと関連があり、追加的な情報を得ることも可能だ。他にも超新星が爆発する時の光を通じてその星が属する銀河が何で構成されているのかを明らかにし、光が遠くなって近づく時に波長が異なるように観察されるドップラー効果を利用して公転周期などが分かる。このような理由から学者たちは星の光スペクトルを「空の指紋」と呼んだりもする。

どんなに早くても宇宙の中

よく非常に短い時間を話す時に「あっという間」という表現を使う。まばたきにかかる時間は0.1秒だ。最も速いと言われる光の速さは、瞬きする速度より300万倍も速い秒速30万キロメートルである。1秒に地球7周半を回ることができる速度だ。アポロ11号は月まで行くのに4日以上かかったが、光の速度では1秒で月に到着できる。このように人間の基準で光はかなり速いため、昔は光の速度が無限だという見解が一般的だった。

しかし、このような光も身動きできない場所がある。宇宙だ。今のように通信手段が発達していない過去には便りを伝えるために人が直接馬に乗って走った。しかし、いくら休まずに走っても、距離によって旅程が数日から数週間長くなったりもした。同じように光は世の中で最も速い速度で休まずに飛んでいくが、広大な宇宙では目的地に着くまで待つことが必要だ。一例として、光は太陽系を抜け出すだけでも二年かかる。巨大な宇宙では光も時間と空間に束縛されるしかないのである。

コインを目の前に置いて徐々に腕を伸ばすと、だんだん小さく見える。太陽は地球の表面積の1万倍を超える巨大な星だ。しかし、空を見る私たちの目にはコインのように見える。それだけ距離が遠いからである。地球から太陽までの1億5千万キロメートルの距離を1AU(天文単位、Astronomical Unit)という。光の速度では8分、ロケットでは155日、人が歩けば34~24年がかかる距離である。このようにとてつもない「AU」も宇宙規模で見た時には非常に小さい単位なので普通太陽系内だけで使われる。

オリオン座とサムスン

センタウルス座のプロキシマは太陽の次に地球に近い星だ。しかし、地球からプロキシマまでの距離だけでも約268,400AUで、4光年2を超える。夜空で最も明るく見える星であるシリウスは、地球から8.7光年ほどの距離にある。空に並んで置かれ、「オリオンのベルト」と呼ばれる三星(參星)アルニタク、アルニラム、ミンタカもそれぞれ地球から800光年、2000光年、1200光年ずつ離れている。他にも宇宙には光の速度でも数千、数億年以上行かなければ会えない天体が並んでいる。

2.光年:天文学で使用する距離の単位。光の速度で1年かかる距離である。1光年は9兆4600億キロメートルで、人が休まずに2億2500万年間歩いてこそ到達できる。

空に写った宇宙の足跡

砂浜の上を歩いて後ろを振り返ると、歩いてきた足跡が残っている。遠くに写っているものほど古い足跡だ。同じように遠くにある天体から来た光ほど古い宇宙の姿を見せてくれる。星の光は空に写った宇宙の足跡であるわけだ。先に宣べたように星の光には多くの情報が含まれており、遠く深い宇宙を観測するほど宇宙の成人期から幼児期まで逆に追跡することができる。

地球から太陽までの距離は光の速度で8分である。すなわち、地球で感じる太陽の光は太陽が8分前に噴き出した光だ。2020年に見るシリウスの光は8.7年前、つまり2012ロンドン夏季オリンピックが開かれた頃のものだ。多くの旅人と船乗りに道しるべになった北極星の光は、実は466年前のものであり、約250万年前に放出されたアンドロメダ銀河の光はやっと地球に届いた。また、他の銀河の光を観察し、これを土台にそれぞれの進化段階と形などを分析すれば、私たちの銀河の成長過程を推測することができる。天文学者たちは、さらに過去の光を観測することで、宇宙初の星と銀河を発見し、138億年前の宇宙生成の神秘を明らかにすると期待している。

事実、地球から数十億光年離れた宇宙を追跡しても、その結果はすでに実際とは異なる可能性が高い。その光が地球に届くまで長い時間がかかり、地球でリアルタイムで観測できないからである。もしかしたら私たちは実在しない、消えた星の痕跡を見ているのかもしれない。

見えるものがすべてではない

今も宇宙では海辺の砂のように数え切れない天体がそれぞれ光を放っている。それなら夜空は光でいっぱいでなければならないが、目に見えるのは広大な闇だけだ。数多くの星の光はどこへ行ったのだろうか?

星の光は星が遠くにあるほど明るさが弱くなる。3その上、銀河間の距離は平均100万光年から200万光年と非常に遠いため、私たちの目にはただ黒い空だけが見える。もし、私たちの目が電波望遠鏡4のように暗い天体まで感知できれば、空を埋め尽くした星と銀河を見ることができるだろう。

3.星の明るさは距離の二乗に反比例する。

4.電波望遠鏡:天体から放射される電波を観測するための装置。従来の光学望遠鏡は目に見える可視光線を集めて観測する反面、電波望遠鏡は宇宙電波を集めて天体をより正確に測定することができる。

「きらきら光るお空の星よ」という童謡の歌詞のように大部分の星が輝くと思うが、実際の星はそうではない。星の光が地球の大気層を通過しながら揺れたり散らばるため、きらめくように見えるのだ。さらに、地球で天体をまともに観測するには限界がある。地球の大気圏は可視光線と電波を除いた光は大部分吸収したり遮断してしまうためである。

地球の大気による歪曲なしに宇宙を観測するために打ち上げた「人工眼」がまさにハッブル望遠鏡である。当初、ハッブル望遠鏡は銀河や星、惑星を観測する道具だった。1995年に科学者たちはハッブル望遠鏡を使って地球では何も見えない空の暗い部分を観測し始めた。針の穴ほどの小さな面積から出る光を全て撮影した結果、なんと3千個の銀河が発見された。他のどの地点を撮っても真っ暗な空間が銀河でいっぱいになっているようだった。科学者たちはこのような領域を「ハッブル・ディープ・フィールド(Hubble Deep Field、HDF)」と命名した。天体観測技術の発展を通じて、何もないと思われていた夜空、見ることができなかった宇宙に対する視線が変わったのである。

ハッブル ウルトラ ディープ フィールド

その後、ハッブル望遠鏡は、ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(Hubble Ultra Deep Field、HUDF)、ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド(Hubble eXtreme Deep Field、HXDF)の写真を通じて、夜空で針の穴より小さい一つの領域に隠されていた1万個に達する銀河を見せてくれた。それぞれの銀河には平均2000億個の星がある。では、広い空全体にはどれだけ多くの星があるのだろうか?

はるかなる過去から、星が地球に向かって絶えず送ってくる数多くの信号。その中に込められた宇宙は、人間の想像をはるかに超える広大で神秘的な世界だった。今も人類は星の光をたどり、行かずにしても宇宙について多くのことを知りつつある。

一方、宇宙は成長を続けている。地球から遠く離れた空間であればあるほど、より速く膨張する。いつか銀河が遠ざかる速度が光の速度を跳び越え、いくら先端の望遠鏡でも観測できない範囲に達するかもしれないという。明らかな事実は、光さえ有限にする宇宙の規模は、より広い世界を夢見る人間の意志と感覚を跳び越えるということである。

「光は快く、太陽を見るのは楽しい。」 コヘ11:7

あなたは言う。「神がいますのは高い天の上で/見よ、あのように高い星の群れの頭なのだ。」 ヨブ22:12