WATV.org is provided in English. Would you like to change to English?

60年分の誕生日プレゼント

75 照会

「これから先60年分の誕生祝いの花束を、今注文できますか?」

十歳ぐらいの少年が一人で花屋にやってきて、ショーケースに並べられた花々をしばらく眺めていました。少年の名前は、トビー。 私は初めて受けるオーダーに、にやりと笑いながら理由をたずねました。

「僕のママは今、40歳なんです。100歳まで生きてほしいんです。だから、60年分、注文しておかないといけないんです」

純粋な心からそんなことを言うのだろうと思い、花束の費用は30ドルで十分だと伝えました。トビーは翌日またやって来て、感謝の気持ちを込めながら私の似顔絵を描いてくれました。とてもユニークな子だと思いました。

二か月後の約束の日。私はトビーの家に花束を配達に行きました。ドアをノックすると、トビーのママらしき女性が出てきました。 花束を手渡しながら「息子さんからのプレゼントですよ」と言うと、彼女は一瞬驚いて、その場に座り込んだかと思うと嗚咽し始めたのです。そしてやっと、口を開きました。少し前に、トビーが白血病でこの世を去ったのだと。去年の誕生日に花束をプレゼントしてくれたトビーに「私は世界で一番幸せなママね」と言うと、トビーが「これからもママの誕生日には、花束をプレゼントするよ!」と約束してくれたということでした。

「来年も、再来年も、必ずママにきれいな花束を持って行ってあげて下さい。お願いします!」と何度も繰り返しながら帰っていったトビー。私はあの子の最後の願いを、必ず叶えてあげるつもりです。

*この内容は、2017年11月1日オンラインメディア「グッドタイムズ」に紹介された記事を、一人称形式で再構成したものです。