福音の新大陸に向かって

アメリカ WVモルガンタウン / ナタリア

253 照会

「知恵の御言葉について、聞いてみない?」

高2の修了式が終わって下校する道すがら、友達が私に言いました。友達の切実な気持ちが感じられ、話を聞いてみたくなりました。彼女たちのうち、家が近い友達が、急いで家から聖書を持って来て、天の父と母や、神様の掟に関する真理を教えてくれました。御言葉の内容はとても驚きでしたし、確実で、疑う余地のないものでした。

その日の午後、私は家に帰って友達が教えてくれた聖句にアンダーラインを引きました。一節でも忘れたくなかったからです。翌日学校で行われる予定のキャンプの準備をするため、すぐにシオンには行けませんでしたが、その日聞いた神様の御言葉が胸に深く刻まれ、忘れられませんでした。それで、その翌日キャンプに行った時、友達に安息日について伝えてあげたりもしました。

キャンプから家に帰るやいなや、御言葉を教えてくれた友達に電話をかけ、一緒に教会に行きたいと言いました。その日シオンで長時間にわたり神様の御言葉を勉強しました。教えてくれた家族の方が、『神様の子どもになりたいですか?』と私に問いかけましたが、私はその質問をされる前からすでに、神様の子になりたいと思っていました。その後私は、母の同意のもと、新しい命に生まれ変わる祝福を受けました。

母が教会について多少誤解してしまい、私がシオンに行くのを心配したりもしましたが、神様に心からお祈りをささげ、母に健全で真面目な姿を見せると、母の心は間もなく落ち着きました。神様の掟を完全にきちんと守り始めると、エロヒム神様への信仰が日増しに育まれていき、一つの目標ができました。福音がまだ一度も伝えられていない場所に行って、福音を伝えることでした。あの町この町と歩き回りながら教会を建てた使徒パウロのように情熱的な人生を生きたいと思ったのです。

大都市で福音を伝えることだけを想像してきた私の思いとは異なり、神様は私を名前も聞いたことのないウェストバージニア州の小さな村、チャールストンへ導かれました。命の水の御言葉が流れ入って行く所ならば、そこがどんな所でも命の水により生き返るべき魂が待っているはずだと固く信じ、失われた天の家族を捜しだそうと足を踏み出しました。当時、チャールストン・ハウスチャーチには私を含め4人の家族しかいませんでした。

今まで家族の多い教会で一緒に福音を伝え、毎日兄弟姉妹の明るい笑顔とシオンの香りで神様からの御恵みを受けてきましたが、三人の家族と一緒に小さい村で過すことになると、私の心に大きな変化が起こりました。その時になってようやく、お独りで福音を伝えられた天の父の心を、ほんの少しですが感じることができたのです。父が長い歳月の間、どれだけ孤独な福音の道を歩まれたのか、失われた子供たちが恋しくて、どれだけ多くの日々を苦痛の中で過ごされただろうと考えるたびに、悔い改めの涙が止まりませんでした。父の愛と犠牲は、私の体と心を目覚めさせ、毎日疲れも気にせず福音を伝えることのできる原動力となりました。

その後、神様の御恵みにより、真理を探していた美しい魂に出会いました。その日姉妹は、洪水のせいで近所のスーパーが閉店していたため、車で一時間運転して私たちの町のスーパーまでやって来て、私たちと出会ったのでした。真理を聞いた姉妹は、少しの迷いもなく新しい命の祝福を受けました。

姉妹は信仰生活を始めたとき、それを認めようとしない夫のためにひどく苦労しましたが、忍耐と犠牲によって夫が考えを変えるようになりました。福音の働き手として成長した姉妹は、まず最初に実家の母親を真理へと導きました。姉妹のお母さんは預言者並みの精神で、どこへ行ってもひたすら福音を伝える真理の働き手になりました。お年が若くはないのに、厳しい状況に出くわしても屈することなく、家族を救いの道へ導くために絶えず努力しながら、神様の掟を守るためにも最善を尽くしています。

ウェストバージニア州に来てから数ヶ月ほど経った頃、ハウスチャーチの近くに、天の家族である老夫婦が住んでいるという情報が入ってきました。お二人は数年前に娘さんを通じて真理を受け入れたそうですが、1時間ほどの所にハウスチャーチがあるとは知らず、一年もの間、車で5時間もかかるシオンに通っていたのだそうです。私たちはその話を聞いて、すぐに老夫婦のもとに訪ねて行き、お二人は間もなくハウスチャーチにさらに近い場所へと引越して来られました。お二人は神様の掟を誠実に守りながら、毎日のように隣人の方々に御言葉を伝えています。また、世界福音の完成を切に望みながら祈っている姿を見ると「やはり私たちは皆、一つの体なんだなぁ」と実感し、心が温かくなるのを感じます。

ある日、家族と一緒に御言葉を伝えに行ったところ、御言葉に関心を示す二人の魂に出会いました。当時妊娠7ヵ月だったジャッキー姉妹とその夫でした。夫婦は二人とも神様の御言葉を感謝しながら聞きはしましたが、真理を悟るまでに長い時間がかかりました。その時分、私が他のシオンに行かなければならなくなったのですが、その夫婦とチャールストン・ハウスチャーチのことがずっと頭から離れませんでした。そうこうするうちに時が過ぎ、またチャールストンに帰って来た時、いつしか時が流れて子供を産んだ姉妹が、息子と一緒に真理を受け入れたのです。とても嬉しくてたまりませんでした。神様が私たちをそこに送られた理由が分かるような気がしました。

神様の御言葉を愛する姉妹の信仰は驚くほど成長していきました。姉妹は神様の御心通りに行おうとベストを尽くし、家庭でも良い模範となって夫を真理に導きました。そしてすぐまた、友人を神様の懐に導きました。姉妹の友人は臨月の体で神様を受け入れ、その後生まれたばかりの娘と一緒に神様の掟を真心こめて守っています。人々に御言葉を伝えることが好きで、堂々と伝えに行く彼女を見ていると、遠からずシオンの心強い柱になってくれそうで、とても誇らしく感じています。

それから間もなく、チャールストンシオンは新しい家族でいっぱいになりました。私と夫はウェストバージニア州の他の所にも福音を伝えるために、モルガンタウンに行きました。

モルガンタウンで福音を伝え始めて2ヵ月が過ぎた頃、天の父と母がある兄弟に出会わせてくださいました。兄弟は神様の御言葉を熱心に勉強し、妻と一緒に車で4時間かけてやって来て、新しい命の祝福を受けました。その時から兄弟と姉妹は、毎週聖書の勉強に励みながら、神様の御言葉を実践しようと努めています。天の父と母よ、この二人がモルガンタウンシオンで、信仰の根をしっかりと下ろせるようにしてください。

私の信仰の人生を振り返りつつ、すべての状況を導いてくださったエロヒム神様に、限りない感謝をささげます。神様の大きな愛と御恵みを受ける資格などない私が、愛と御恵みを受けながら天国に向かって走って行けるようにしてくださったからです。福音の御業が成される瞬間を目の当たりにするたびに、天の父と母の御言葉は、時が来れば必ず成就されるということが確信できます。天使たちも羨やむという、福音を伝える仕事をしながら、神様の預言を成すことができる私たちは本当に大きな祝福を受けた者です!天国の福音が全世界に伝えられるその日が早く来ることを、心から切に願ってやみません。