ムタレにも神様の国が

ジンバブエ ハラレ / エノス

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世界のあちこちで信じられないほど迅速にシオンが建設されているのを見ると、神様が「時が来れば速やかに行う」(イザ60:22)と言われた預言の時が、まさに今だという確信が持てます。このように重要な時期にじっとしていることができるでしょうか。私たちジンバブエのハラレシオンの家族も、新しい地域への福音開拓を準備しました。しかし、野心的に立てた計画は最初から難航しました。短期宣教地として定めたムタレ地域で、宣教期間中に滞在する場所を見つけるのは、容易いことではなかったからです。ムタレにシオンを建てることができるようにしてくださいと絶えず祈り続け、ずっとぴったりの場所を探し続けました。

そうするうちに、ムタレに居住するある姉妹と連絡がつきました。南アフリカ共和国のダーバンシオンで真理を受け入れた後、故郷であるムタレに戻って働いていた姉妹は、過去一年間消息が分かりませんでした。数回連絡をしてみたのですが、返事がありませんでした。ところが、神様に祈りをささげて再び電話をしたところ、連絡がついたのです。

瞬間、昔ダビデ王がペリシテを倒した当時のことを思い出しました。戦争に先立って「ペリシテを打ちましょうか?」と尋ねるダビデに、神様は「行きなさい。私が必ずペリシテ人をあなたの手に渡す」と言われました。神様の御言葉に力を得たダビデは、神様が共におられるという確信を持って出て行き、戦って勝利を収めました。受話器の向こうにいる姉妹の声を聞きながら、私たちも神様が霊的な勝利を収められるように、ムタレを私たちに渡されたという確信が湧きました。

姉妹にお世話になるのは申し訳なかったのですが、ありがたいことに姉妹は短期宣教期間に私たちをもてなすことになって幸せだと喜んで迎えてくれました。短期宣教を基点にムタレで生き帰った一人の魂が、心強い福音の協力者として名乗り出てくれたので、私たちもまた幸せでした。

いよいよハラレを出発し4時間が過ぎてムタレに到着しました。「必ず福音を伝えるべき所」ということ以外、ムタレについてほとんど知りませんでしたが、関係ありませんでした。神様がすべての道を開いて置かれたことを知っていたからです。

7人の短期宣教団員がムタレに居た期間は6日。一週間にもならないので、日が出ている時間はすべて御言葉を伝える時間にしました。いつまたムタレに来れるか分からないと思い、一分一秒を惜しんで熱心に御言葉を伝えました。その結果、11人の天の兄弟姉妹を見つけ、7人は安息日礼拝を一緒にささげました。

短期宣教を進めていきながら、特に記憶に残った場面があります。一つ目は、仕事のため礼拝をささげるのは難しいと言っていた兄弟が、最終的には時間を割いて来られた時です。兄弟とバス停で会う約束をして待っていた私たちは、約束どおり兄弟が停留所に到着すると、お互いに抱き合って歓呼しました。兄弟が家に帰って来ることを一つの心で願い、戻ってきた兄弟を心を尽くして喜び迎える私たち皆が、本当の家族だということが全身で感じられました。

シオンでは、さらに大きな感動が押し寄せてきました。ある方が、その日バプテスマを受けたのですが、3日前に新しい命の祝福を受けた家族が近付いて抱きしめながら「生まれ変わったことをお祝いします」と挨拶するのです。二人が「ついに母を見つけた」と抱き合って喜ぶ姿に胸がいっぱいにあふれると同時に、この魂を置いて離れなければならないと思うと胸が痛みました。

天の父がそうされたように、生まれたばかりの霊の兄弟姉妹を心配する気持ちは、誰もが同じでした。それで、最近歯科治療学校を卒業したある兄弟が、ムタレで仕事先を探して家族の世話をする計画を立てました。福音のために勇気を出してくれた兄弟と、子供をきめ細やかにお世話される天の父と母に本当に感謝しました。

志があるところに神様が道を開いてくれます。また、大きく開かれた広い道をです。神様がアフリカ大陸全体を私たちに下さったので、自信を持って進みます。まだ福音が宣べ伝えられていない地域に再び走って行ってシオンが建設されることに助力します。