一人の魂も逃されず

アメリカ NY ニューウィンザー / キム・ヘヨン

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シラキュースに引っ越して来て一か月ほど経った頃、美容室に行こうと思い、近くに韓国人が運営する美容室があるか、インターネットで検索してみました。幸いなことに、そう遠くないところに、一年前に開業した美容室がありました。電話予約をして、次の日の朝、美容室に向かいました。ところが、予約時間に合わせて行ったのに、美容師の姿が見えませんでした。夫である方が申し訳ないと、待ってくれと言ったかと思うと、しばらくして夫人を連れてきました。

髪を切る間、美容師とあれこれ話をしながら、教会の話題になりました。美容師が、私にどこの教会に通っているのか聞きました。

「もしかして、神様の教会って聞いたことありますか?私は神様の教会に通ってるんですけど」

私の言葉に、突然ハサミが止まりました。

「神様の教会ですか?そこ、安息日を守って、過越祭を守るところではありませんか?」

びっくりして、美容師の顔をまじまじと見つめました。

「私、韓国でその教会に通ってたんです。そこの人たちは本当に良い人たちでしょう」

「じゃあ、姉妹ですか?」

「はい、私2年前、生きるのがとてもつらかった時、そこシオンですよね?シオンに通ってたんですが、アメリカに来て住むようになり、韓国で出会ったシオンの人と連絡が途絶えて、ここで、神様の教会も見つけられず、韓国人教会に通っていたんです。でも、どうしてこんなことが…、私、神様の教会にもう一度行きたいです」

涙を浮かべながら、姉妹が話を続けました。

「最近も、生きるのが大変つらく感じられて…。昨夜も、あれこれ考えながら眠れなくて、それで今朝、遅く出てきたのです。なのにこうして、シオンの方に出会うなんて…」

私も美容室で、天の家族に会うとは夢にも思いませんでした。まるで、もともと書かれた脚本に基づいて、導かれてここに来たという感じでした。神様のご計画に驚かずにはいられませんでした。実は、美容室に来る前日、神様に心から祈りをささげました。私の住む地域で、どうか天の家族を捜せるようにしてくださいとです。すぐに祈りに答えてくださった父と母に、本当に感謝しました。

その週の安息日の夜、姉妹がシオンに来られました。仕事を終えて、あたふたと急いで来たため、顔のあちこちに毛が付いていましたが、数年ぶりに神様の懐に戻ってきた姉妹は、とてもリラックスして幸せそうに見えました。

姉妹は、聖書の勉強を再び始めました。美容室で時間ができるたびに御言葉を調べて、神様の御心を悟っているところです。夫と知人をシオンに導きたいと思っているのですが、姉妹の願いが必ず叶えられるように願います。

天の母、ありがとうございます。一人残さずすべての子供を捜される、深くも濃い母の愛によって、また新たに一人の魂が生き返りました。