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広大な宇宙、もう一つの世界

136 照会

日常生活で一度も接したことのない景観や風景を見ると、私たちは感嘆を禁じえない。新しくて美しいものを見ると、心身ともにリフレッシュできるように感じる。異世界に接することで、繰り返される日々の生活でたまったストレスや倦怠感を一気に吹き飛ばすこともできる。このため私たちは旅行に出かける。苦労して山を登るのも、寒い極地に行ってオーロラを見ようとするのも同じ理由だろう。しかし、このような地球の景色より、さらに心をワクワクさせるものがある。それが宇宙の姿だ。

光と闇が共存する宇宙は、新しいものが作られる創造の空間であり、私たちが思いもしなかった未知の世界が共存する場所だ。だから、宇宙の姿が写った写真は私たちの心をとらえる。永遠の時空間が広がる宇宙は、はたしてどんな所だろうか。

広大な空間と永遠の時間が広がる宇宙

1977年に打ち上げられたボイジャー1号は、数十年の長い飛行の末に太陽系の端に到達した。「ボイジャー1号が太陽圏を脱出し、恒星間空間に入った」とアメリカ航空宇宙局(NASA)が2013年に公式に発表した。宇宙の微細な部分に過ぎない太陽系から出るだけで約40年の歳月がかかるというのだから、宇宙の広大さをわずかながら実感させてくれる事件だ。

さらにはボイジャー1号が太陽から最も近い星である「プロキシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri)」まで行くだけでも10万年以上かかるという1。地球からこの星に到着するには光の速度でも4年以上かかる。このような星が私たちの銀河系(天の川銀河)の中だけでも数千億個あり、また宇宙には銀河系のような銀河が数千億個存在する。

1.ボイジャー1号の飛行速度はおおよそ時速60,000㎞だ。

このように広大な宇宙の大きさは果たしてどの程度だろうか。この問題は、20世紀初めまで科学界の最大の話題だった。1929年、エドウィン・ハッブルは、宇宙のはるか遠くにある銀河から届く星の光を観測する途中で、銀河が非常に速い速度で遠ざかっていることを発見した。精密な観測装備で測定した結果、距離の遠い銀河ほど、それに比例して遠のいていく速度が速くなることを確認した。これはまるで宇宙が風船のように膨張していることを意味しており、この重要な事実に基づき天文学者たちは宇宙の年齢と大きさまで推測できるようになった。現在まで知られている宇宙の年齢は約137億年で、大きさは約137億光年だ。しかも宇宙の果ては光の速度で膨張している。これは、その大きさを測定する方法がないという意味でもある。

我々が観測している宇宙が現在の宇宙の姿ではないという点も非常に神秘的だ。例えば太陽から放出された光が地球まで届くのには約8分かかる。したがって、現在私たちが見ている太陽は約8分前の太陽と言える。250万光年離れた、銀河系から最も近いアンドロメダ銀河の姿もまた250万年前のものだ。このように私たちが見ている美しい宇宙の姿は、すべて遠い昔の過去の姿だというわけだ。

1990年4月、NASAは宇宙を観測する最先端装備であるハッブル宇宙望遠鏡をスペースシャトルディスカバリー号に乗せて宇宙に飛ばした。ハッブル望遠鏡が撮って送ってきた写真には想像を絶する宇宙の姿が写っていた。その中で世界を驚かせた写真があったのだが、それが「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」(Hubble Ultra Deep Field)だ。

ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド

満月の面積の10分の1にしかならない暗くて小さい領域を撮ったこの写真の中には、何万もの銀河が写っていた。地球からこの銀河までの距離は50億光年から100億光年にもなる。つまり、この写真の中の銀河たちは50億年から100億年前の姿だというわけだ。宇宙の年齢が137億年であることを考慮すれば、比較的初期の宇宙の姿だ。このように広大な宇宙は過去と現在が共に広がる未知の空間だ。宇宙を通じて過去を見ることができるということ自体が驚きとしか言いようがない。

未知の宇宙とは別次元の世界

宇宙空間には、永遠にたとえられるほど長い歳月を勝ち抜いた多くの星と銀河が存在する。星は広い宇宙空間にある気体やほこりから生まれる。これらの物質が徐々に重力を受けて星雲と原始星になり、温度が上がり続けて絶対温度千万ケルビン2に近づくと、ついに水素の核融合反応を通じて星が作られる。一つの星が誕生するにも数千万年の時間がかかる。こうして誕生した星は、短くは数億年から長くは100億年の一生を送る。現在、約50億年経った太陽は、今後50億年生きることができる。

2.絶対温度とは、物質の特異性に依存しない絶対的な温度であり、単位はK(ケルビン)である。絶対温度は摂氏温度と目盛の間隔が同じで摂氏温度より273.15℃高いので、千万Kは約千万℃に該当する。

寿命が尽きた星は最終段階に入ることになるが、その代表的なものがブラックホールだ。巨大な星が変身したブラックホールは、密度が非常に大きく、莫大な重力で光まで吸い込む天体だ。強い重力のため、ブラックホール付近の時空間は歪曲している。そのため天文学者たちは、ブラックホールが私たちが想像しているのとは全く異なる次元の空間であろうと予測する。また、まだ存在が明らかになっていないが、ブラックホールから類推されたホワイトホールとワームホール3も、異なる時空間と異なる次元に続く関門と考えられている。

3.ブラックホールがすべての物質と光まで吸い込む天体なら、その逆に物質と光をすべて放出する天体があるだろうと予測できる。これを「ホワイトホール」といい、ブラックホールとホワイトホールをつなぐ通路の役割をするものを「ワームホール」という。しかし、まだその存在は不透明だ。

ブラックホールとホワイトホール、ワームホールの想像図

古くから人類はタイムトラベルについて多くの関心を抱いてきた。もし私たちが光よりも速い速度で旅行できるなら、理論的に不可能なことでもない。簡単に言えば、過去の場面が盛り込まれた光がどこかの宇宙を進んでいるはずだが、その光に追い付きさえすれば、過去を見ることもできるのだ。

先程も説明したように、私たちが見ている宇宙の姿は過去だ。それと同様に、地球から遠いところで地球を見るということは、地球の過去を見ることにほかならない。無限に広がる宇宙空間で、時間に逆らうということは、ただ漠然とした想像上の話ではない。もしかすると、宇宙のはるか向こうのどこかに過去の姿だけでなく、感じたこともなく思い描きもしなかった、ほかの次元の世界が広がっているかも知れない。

銀河や星雲、星団などの美しい天体写真は、私たちの想像を刺激する。色とりどりに輝く美しい光の饗宴が繰り広げられる宇宙。「そこには何が存在するのだろうか」宇宙の姿を見ながら、誰もが一度は思ってみたことがあるはずだ。

人類が鮮明で美しい宇宙写真を見ることができるようになったのは、ここわずか数十年にすぎない。もちろん科学技術の成長により、観測装備と製作技術が発達して生まれた結果ではあるが、想像を現実にすることができる時代になったという意味でもある。夢が実現するのは一瞬であり、決して不可能なことでもない。