イエス様は天国の福音を伝えながら、たとえを用いた教えをたくさん下さいましたが、これは天国の秘密を許された者だけが真理を悟れるようにするためです(マタ13:10-15、34)。
イエス様が知らせてくださった多くのたとえの御言葉は、結局私たちの救いと直結する教訓だと言えます。「白く塗った墓」のたとえにも救いの深い意味が込められています。
白く塗る
白く塗るというのは、漆喰(石灰)を塗る事で、聖書ではあたかも偽りを真実であるかのように偽装する人や団体を指してよく使われるたとえです。
いくつかの記録を調べると、旧約当時に偽預言者たちがイスラエルの民に平和を約束したのですが、預言者エゼキエルはこれを「壁を築く時に漆喰を上塗りするようなものだ」と言い、彼らの罪を預言しました。
平和がないのに、彼らが『平和だ』と言ってわたしの民を惑わすのは、壁を築くときに漆喰を上塗りするようなものだ。漆喰を上塗りする者に言いなさい。『それは、はがれ落ちる』と。豪雨が襲えば、音よ、お前たちも石のように落ちてくるし、暴風も突如として起こる。壁が崩れ落ちれば、『先に施した上塗りはどこに行ったのか』とお前たちは言われるに違いない。それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは憤りをもって、暴風を起こし、怒りをもって豪雨を降らせ、怒り狂って音を石のように降らせ、すべてを破壊する。お前たちが漆喰を塗った壁をわたしは破壊し、地面に打ちつけて、その基礎をむき出しにする。それが崩れ落ちるとき、お前たちもその中で滅びる。そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。わたしは、壁とそれに漆喰を塗った者たちに対し怒りを注ぎ盡くし、『壁もなくなり、それに上塗りをした者たちもいなくなった』とお前たちに言う。 エゼ13:10-15
使徒パウロは神様に逆らい、福音の御業を妨げる大祭司アナニアに向かって「白く塗った壁」と言いました。
そこで、パウロは最高法院の議員たちを見つめて言った。「兄弟たち、わたしは今日に至るまで、あくまでも良心に従って神の前で生きてきました。」すると、大祭司アナニアは、パウロの近くに立っていた者たちに、彼の口を打つように命じた。パウロは大祭司に向かって言った。「白く塗った壁よ、神があなたをお打ちになる。あなたは、律法に従ってわたしを裁くためにそこに座っていながら、律法に背いて、わたしを打て、と命令するのですか。」 使23:1-3
白く塗った墓
イエス様のたとえの中では偽善的な律法学者とファリサイ派の人たちが「白く塗った墓」と表現されています。
律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。白く塗った墓に似ているからだ。外側は美しく見えるが、内側は死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。このようにあなたたちも、外側は人に正しいように見えながら、内側は偽善と不法で満ちている。 マタ23:27-28
忌まわしい行為を日常とし、天国に入ろうとする人々を惑して天国の門を閉ざす偽預言者たちは、まるで白く塗って外側は美しくきれいに見えても、内側はあらゆる汚れで満ちている墓のようで、決して地獄の刑罰を避けることができません。
律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。人々の前で天の国を閉ざすからだ。自分が入らないばかりか、入ろうとする人をも入らせない。律法学者とファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。だからあなたたちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。改宗者を一人つくろうとして、海と陸を巡り歩くが、改宗者ができると、自分より倍も悪い地獄の子にしてしまうからだ。 マタ23:13-15
蛇よ、蝮しの子らよ、どうしてあなたたちは地獄の罰を兔れることができようか。 マタ23:33
このように聖書で、偽預言者と彼らが属した団体を白く塗った墓にたとえたのは、いくら大きくて派手な外見を誇り、歴史と伝統を持つ教会であっても、真理がなければ決して救いの場にならないからです。
今日世の中を見ると、表では主よ主よといいながら裏では偽りと不法で人々を惑わして天国の門を閉ざす白く塗った墓、すなわち偽預言者たちが導く教会が無数に多くあります(マタ7:21-23)。 そういう教会を指して聖書は霊的バビロンと言ったのですが、神様は裁きの日が来る前に、神様の民が不法があふれる悪霊の巣窟バビロンから一刻も早く出て、彼らと共に罪に定められないことを願っておられます。
天使は力強い声で叫んだ。「倒れた。大バビロンが倒れた。そして、そこは悪霊どもの住みか、/あらゆる汚れた霊の巣窟、/あらゆる汚れた鳥の巣窟、/あらゆる汚れた忌まわしい獣の巣窟となった。すべての国の民は、/怒りを招く彼女のみだらな行いのぶどう酒を飲み、/地上の王たちは、彼女とみだらなことをし、/地上の商人たちは、/彼女の豪勢なぜいたくによって/富を築いたからである。」わたしはまた、天から別の声がこう言うのを聞いた。 「わたしの民よ、彼女から離れ去れ。その罪に加わったり、/その災いに巻き込まれたりしないようにせよ。彼女の罪は積み重なって天にまで届き、/神はその不義を覚えておられるからである。 黙18:2-5
今は、白く塗った墓のような霊的バビロンで死に行く天の兄弟姉妹を、救いの避難所へと迅速に導かなければならない時です。それなら神様が予め準備なさった救いの場所はどこでしょうか。
ユダに知らせよ、エルサレムに告げて言え。国中に角笛を吹き鳴らし、大声で叫べ/そして言え。「集まって、城塞に逃れよう。シオンに向かって旗を揚げよ。避難せよ、足を止めるな」と。わたしは北から災いを/大いなる破壊をもたらす。 エレ4:5-6
神様が私たちと一緒におられ救いを施される安全な避難所シオンは、神様の祭りを守る真理の教会です。
シオンを仰ぎ見よ、我らの祝祭の都を。あなたの目はエルサレムを見る。それは安らかな住まい/移されることのない天幕。その杭は永遠に抜かれることなく/一本の綱も断たれることはない。まことに、そこにこそ/主の威光は我らのために現れる。そこには多くの川、幅広い流れがある。櫓をこぐ舟はそこを通らず/威容を誇る船もそこを過ぎることはない。まことに、主は我らを正しく裁かれる方。主は我らに法を与えられる方。主は我らの王となって、我らを救われる。 イザ33:20-22
救いの秘密を賜り、死に行く我々の魂を命の道に導いてくださった神様の御恵みに感謝して、神様の祭りを守るシオンに多くの魂を導いて、この時代に賜った真の預言者の使命を果たさなければなりません。